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CA受験の企業研究ってどうやるの?
今回の記事では、このコースを読んだ読者さんからいただいた質問に答えていきます。トピックは「CAになるための企業研究のやり方」です。
質問はこちら↓
- CA受験の時の企業研究のやり方についてアドバイスください
- 受験の時、会社のことをどこまで詳しく調べておけばよいですか?
- 好きな航空会社以外は志望動機を書くのに時間がかかります
- 面接で、調べていないことを聞かれたら何と答えるのが正解ですか?
※今回の記事は「企業研究」を軸にして話していますが、CAに合格するための「業界研究」「職種研究」にも同様のことが当てはまると思って読んでもらってOKです。
効率の悪い企業研究のやり方
上記のような質問をくれた人に、「今どんなことを企業研究としてやっていますか?」と逆に聞いてみると、一般的に、合格できない人が悩んでいる企業研究では、以下のような調べ方をしている人がいるようです
- 会社の社長の名前やHPの社長メッセージを読む
- 会社情報、IR情報、CSR情報を検索して調べる
- ◯◯(航空会社の名前)は昭和◯年に創立して、◯年に別の▼▼と統合…
- 現在は世界△ヶ国◇都市に就航していて保有機材はボーイング◯◯が◯機とエアバス□□が◯機、客室乗務員数は◯◯人…
これでも、「間違い」ではありません。しかしこれだと「合格」できません。正しいことをするのと合格する近道を進むことは、違います。その選択をできることを私は「賢いやり方」と言っています。
そもそも「企業研究」ってなんのためにするのでしょうか??私がこの連載コースでお伝えしているのは、ずばり「選ばれる」ため(合格するため)の受験対策です。そのためには、業界のことや企業のことに誰よりも詳しくなくてはいけないわけではないんです。
今回の内容を読んだ直後から書類がグンと書きやすくなると思います。労力は半分なのに「選ばれる」クオリティが上がるようになりますので実践してみてくださいね。
大事なのは”ファン目線”にならないこと
まず今日いちばん大事な結論を言うと、「客室乗務員のファン」や「航空業界のファン」にならないようにすることです。
企業研究とか業界研究と言われると、会社のホームページを隅々まで読み込んで、どんな質問が来ても会社のことを答えられるようにしなければいけないと感じている人が少なくありません。でも「合格する」ためには、そんなにエネルギーを注ぐ必要はありません。
転職に成功するには複数社を受験する必要がある
突然ですが、転職市場における17.7という数字は何を表していると思いますか?
これは「1社に内定するために必要な平均応募社数」です。下のグラフを見てください。
引用元:https://doda.jp/guide/oubo/heikin/
これは転職支援会社が出したデータです。
さらに、このうちの80%以上が2社以上受けていて、50%以上が10社以上受験しているということです。若い人ほど応募者数が多いという傾向もあります。
引用元:https://doda.jp/guide/oubo/heikin/
なぜこのデータを見せたかというと、私がたくさんのクライアントさんと話すようになって一番ビックリしたことが「そもそも受験している回数が少ないこと」だったからです。このデータの平均値を大きく下回っていました。
以上のことから、2つのことがわかります。
- とにかく応募する機会が多ければそれだけ(物理的に)合格のチャンスが生まれている
- 場数を踏んだ分だけ試験に慣れくる(難関試験の場合には特にこれが効果的)
効率的に企業研究をするための視点
試験自体に慣れてくると自分のアピールの仕方が感覚としてわかってくるので、模擬面接以上の効果があります。でも今回は「だからたくさん受けましょう」という単純な話ではありません。これはあくまでも前提の話です。実際にたくさん受験していくには書類をすぐに完成させなければならないし、そのために企業研究をするとすれば一つ一つ会社の企業研究に時間をかけられません。しかも、CA受験はいつ採用募集が出るかわかりません。そんな状況の中で、募集が出たらすぐに応募できるようにするにはどうしたら良いでしょうか?
少し話はそれますが、私は採用募集が出たら翌日には応募していました。
これは自慢ではなく、そうしたほうが合格率が上がりますという話です。
「締切」というのは採用試験のシステムの便宜上存在するだけで、実質は先着順だと思うくらいが良いと思います。なんでかというと、選ぶ側も人間だからです。膨大な応募書類が届くので、文字通り「捌くように」書類が見られます。提出が遅れれば遅れるほど不利だということは想像できると思います。
「そんなに早く書類を仕上げるなんて無理だよ」と驚く人もいるかもしれませんが、今回話すことをやれば充分可能なので、やってみてくださいね。
そもそも企業研究は何のためにやるの?
あなたにも一緒に考えてみてほしいのですが、そもそもなんで企業研究や業界研究が必要なのでしょうか?
- 企業と自分が合っている(マッチしている)ところを見つけて志望動機を書いていくため?
- いかに自分がその会社にぴったりであるかというところをアピールするポイントを見つけるため?
- 「こんなにあなたのこと知っていますよ!」というアピールをするため?
こういう考えでCA受験を捉えている人がやってしまいがちなのが、冒頭で挙げた、
- 会社の就航している都市をすべて暗記したり
- 会社の成り立ちを歴史に沿って暗記したり
という企業研究です。こんなことしているといくら時間があっても足りないですよね。
じゃあ何ができればよいのかと言うと、面接官が私たちの何を見ているのか?その知りたいポイントを知っていることが有利になります。
面接官が知りたいポイント
面接官が知りたいのはこんなことです。
- なぜ他の航空会社ではなく、うちなのか?
- うちの会社でどんなふうに頑張ってくれそうなのか?
- 既存社員とうまくやっていけそうな人材か?
これに準拠して私たちが「何を具体的に調べたらいいか」のアイディアは次のようなことです。
- 業界内の位置づけやアライアンス内でのランク
- サービスの内容や特徴
- 客室乗務員のイメージや特徴
- 会社の将来ビジョン
- 会社の風土、カラー、文化
- 世間的なイメージ
- イベント、キャンペーン、広告
企業研究におすすめの方法
応募する会社に関する最新ニュースを3つピックアップする
たくさんの会社や競合があるなかで、どの会社も「利益を上げていきたい」「会社を良くしていきたい」と活動している団体ですから、欲しい人材は「一緒の方向を向いて一緒に頑張っていける人」なはずです。
だから、いかに他の会社と差別化してうちの会社でがんばっていきたいと思ってくれているか、ということが採用側に伝われば採用される可能性は高いと言えます。
更に、会社には「世間に出しているイメージ」というのがあります。
そうして私たちが受け取っているイメージから「その会社が今どんな方向を見て、これからどこに向かっていきたいのか?」ということを読み取ることができます。つまり、下に挙げる項目のようなことに関する最新ニュースを把握して会社の方向性を想像し、「そのために自分には何ができるか」「何がしたいか」と考えることが、質の高い志望動機を作成することに直結するわけなんです。
- 新しい就航地は予定されているか?どこ?なぜその就航地?
- 最近撤退した就航地があるか?なんで撤退したのか?
- なにかキャンペーンはやっているか?それは誰がメインターゲットになっているか?
- イベントはどんなことをやっているのか?何のためか?
こういったことから「会社はどこに向かっていて、そのためにどんな人材がほしいのか」想像をふくらませる練習をしていきましょう。
CA受験に「積み重ね」が重要な分野があるとすればこの部分です。
日々ニュースを見て、ノートにまとめていくことがおすすめです。このブレインストーミングを日々していると、面接でどんな質問が来ても簡単に相手の求める答えを自分の言葉で言えるようになりますよ。
まとめ
志望理由に直結していくのが企業研究・業界研究・職種研究です。
今日お伝えした企業研究・業界研究・職種研究のやり方を生かして、「自分はどんなスキルや能力や価値観を持っていて、それをどう会社にいかせるのか」と言う視点で自分の意見を繋げていくと、志望動機になります。やってみてくださいね。
宿題:
あなたの志望しているエアラインの現在の3大ニュースは何ですか?
ノートに書き留めてください。もしアウトプットする余力があれば「件名:企業研究のアウトプット」という件名で私のメールレターのメールに返信してみてください。アドバイスさせていただきます。
ちなみに宣伝ですが、私のプロジェクトでは直近の航空業界ニュースやトレンドからトピックを取り上げて自分の意見を「合格する」視点で膨らませる練習ができるコミュニティ通信を配信しています。コミュニティ内で取り上げていたAIに関するニュースは実際に日本航空の既卒採用面接で出題され、合格したメンバーから「日頃からコミュニティ通信のアドバイスをもとに自分の考えをまとめていたので面接で冷静に答えられた」と声をいただいています。
この記事シリーズ(CA合格ロードマップ講座)の目次
- 【はじめに】人生を変えるCA受験へようこそ!
- 【マインドセット】CAに最短で合格できるかどうかは「自分への質問力」次第というお話
- 【マインドセット】TOEIC600点以下でも既婚でも未経験でも地方在住でも合格する方法
- 【対策法】実はこれだけ!CA受験対策の7つのジャンルと無駄な対策
- 【自己分析】芯のある自己PR・志望動機が作成できる”◯◯”の明確化と言語化のコツ
- 【ES/履歴書】CA合格率の高いES/履歴書の特徴と3つのテクニック
- 【企業研究】CAに合格するための企業研究の考え方とやり方のコツ
- 【自己紹介】面接の自己紹介の組み立て方と複数パターンを準備するフレームワーク←NEXT
- 【マインドセット】合格が「ゴール」になった瞬間から合格は遠ざかっていく
- 【マインドセット】私たちが一番怖いのは「時間の喪失」
- 【業界研究/職種研究】今の航空業界の流れとCAに合格する人の特徴