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合格していくのは実は◯◯が明確な人
今回のテーマは「芯のある自己PR・志望動機が作成できる”◯◯”の明確化」です。
私のもとに届く質問/ご相談でダントツに多いのが「納得のいく自己PR、志望動機が作れません」というものです。 なんとなく採用側に受けが良さそうなことを取り繕って、まったく自分の魅力が出ていない自己PRや媚を売っているだけのような志望動機ができあがり、自信のないまま試験日を迎える……私が過去そうだったように、周りでうまくいかなかった人もたくさん見てきました。
ここで最初に今回の結論を言うと、
『ほとんどの人が無意識に避けがちな”欲望”の掘り下げをしてから書く書類には、 単に体裁を整えた書類では到底及ばないあなたの人生全体のテーマが宿り、 一貫性・説得性がグンとアップする⇒合格できる』
です。
ここで「人生全体のテーマ」と言うと「いやいやそんな大げさな‥」と思う方もいるかもしれません。でもそれこそが 合格のために必要なあなたのアピールポイントにつながっていきます。この自分の「ウリ」を見つけるために「自分探し」にハマってしまう人は非常に多いのですが(特に女性は◯◯診断とか◯◯テストが大好きなので‥)もう自己分析ジプシーはやめてこの記事を何度も繰り返し読んで、何度でも自分に問いかけ続けてください。そうしていくことで、ある時、自分の中で繰り返し同じキーワードが出てくることに気がつくはずです。それが合格するためのあなただけのキーワードになります。
納得のいく自己 PR や志望動機を作成するための自己分析
自分で納得できない自己PRや志望動機を書くくらいなら、なんとなく採用側に受けが良さそうなことを取り繕って書いたほうがいい、というのが大抵の人が考えることです。本人は合格から遠のくことをしていると自覚できていない場合すらあります。出来上がった文章を客観的に見ると、その人の魅力が出ていない自己 PR になっていたり応募企業に媚を売っているかのような志望動機になってしまっていたりするにも関わらず、です。自分で「納得できていない」と感じているだけあって、自信のないまま試験日を迎えてしまいます。面接でそういう自信のなさが見えてしまったり、思ってもいないってないことを書類に書いてしまっているがゆえ一貫性のない発言をしてしまうことになったりして・・・。
実際にそういう経験をした人もいるんじゃないでしょうか?
一方で、自己分析や自分探しにのめり込み、はまってしまう人もいます。
自己分析ばかりに時間をかけずに、自分探しジプシーに陥らずに、効率よく合格する自己 PR ・志望動機を仕上げていくにはどうしたらいいのでしょうか?この記事では下記2点について意識しながら読んでください。
- 面接で選ばれるためのあなただけの「基盤」に気がつく
- 自分の納得度も採用側の納得度も高い自己 PRや志望動機を作る
正しい自己分析をしないことによるデメリット
敢えて最初に『自分の納得度が高い内容の自己PRや志望動機ができない』ことによるデメリットを明確にしておきましょう。
面接官は本当に膨大な人数を見てきているので、その人の本音がきちんと目的意識をベースに発言として出ているかどうかをすぐに見抜いてしまいます。特に、難易度が高い試験ではそれなりに準備している応募者が集まってくることもあって、建前や媚を売っているような薄っぺらい自己 PRや志望動機では合格できません。
憧れだけではCAになれない。でも憧れは大事。
ところで、こんな志望動機を聞いたことがありませんか?
「小さい頃に家族で飛行機に乗った思い出があり、CAさんがすごく優しくしてくれたので、ずっと憧れていまます」
「小さい頃から飛行機に乗る機会が多かったのでCAになりたいと思っています。」
こういうのは、志望動機として最悪な例として見たことがあるかも知れません。「悪い典型例」みたいなものですね。確かにこれだけじゃ納得度の高い自己PRにも志望動機にもなりません。でも、敢えて言いたいのですが、こういう憧れが駄目なわけではないです。むしろ、あって然るべきです。あなたにもありますよね?憧れ。不純な動機でもいいです。大事なのはその先です。単純な憧れや不純な動機を徹底的に掘り下げたことって、ありますか?自分のそういう感情や気持ちと本気で向き合ったことはありますか?
CAになりたい動機なんて、憧れだけでいいんです。でも、いかにその憧れを掘り下げて、面接官が納得するような説明ができるか、つまりいかに言語化するかというのが合格には大事なんですよ。「憧れ」はやっぱり人のエネルギーそのものだし、モチベーションの源泉だと思うので一切否定するつもりはありません。でも、みんな心のどこかでなんとなく「憧れだけではダメ」とか「自分の欲望が見えちゃ恥ずかしい」と感じています。だからそこで向き合うのを辞めてしまうんです。これが非常にもったいない。
自分のあこがれや不純な動機を「建前」で「取り繕う」のではなくきちんと掘り下げることで、納得できるような自己PRや志望動機って実は作ることができるんです。そのやり方をここから説明していきます。
「憧れ」は「欲望」である
あなたの「CAになりたい」という希望を掘り下げると、それは「CAという状態」=「自分が客室乗務員になったという状態 」つまり「ステイタス」が欲しいということに近いと思うのです。ここに異論がある人は、正直ほとんどいないのではないかと思います。CAになったら理想の自分になれそうだと感じていたり、親を安心させられそうだとか世界を飛び回ることができるとか……つまり「欲望」ですよね。
あなたを含めほとんどの人がCAに対して抱く「憧れ」っていうのは、幼い頃からなんとなく刷り込まれているCAさんに対するイメージがすごく大きいはずです。この行き過ぎた「世間的イメージ」によって、自分の適性を無視してでもとにかくなりたい(真面目な志望動機や自己PRなんてわからない)っていう人がなくならない。本当の職業の業務とはかけ離れたところにあるイメージが先行してしまいがちな職業が客室乗務員です(アジアにおいては特に)。でも正直なところ、そういう勝手なイメージこそがあなたが今叶えたいことですよね?
ここまで読んで腹が立っている人もいるかもしれません(笑)。でもここは本当に自分に正直になって掘り下げて欲しいです。例えば
- CA は美人
- CAは教養がある
- CAになったらいい出会いがある
- 才色兼備な自分になりたい、それには CA になることが必要
- CAになったら免税店でブランド品が安く買える
- CAになったら航空券が社員割引になるから海外旅行にいっぱい行ける
- CAになったら世界中を飛び回ることができる
こういうちょっと欲望チックな思いこそがあなたがCAになりたい理由ですよね?「欲」って言うと、なんとなく「持ってはいけないもの」っていう認識や感覚が私たちにはあるので、そこで掘り下げるのをやめてしまう人がほとんどなのですが、さっき言ったように、「憧れ」は人間が持っていて然るべきものであり、「憧れ」=「欲望」なのであれば、「欲望」も持っていてOKなので、すごく大事にしてほしいのです。まずはそこから。とにかくその状態を受容してください。あなたが叶えたいのは「CA職」というステイタスを通して得られる感情や承認欲求が満たされること。そういう自分になった時の感情を味わいたいんですよね。
欲望を掘り下げると室の高い志望動機に繋げられる
じゃあ、ここで、仮にその「欲望」が叶えられたときのことを想像してみてください。例えば、免税店でずっと欲しかったバッグが変えたとか、ずっと行きたかった国に客室乗務員として降り立って、オフの日にはその国の観光を楽しんだりとか、「おまえがCAになるなんて絶対無理だよ」って言った家族や元彼を見返すことができたりとか、合コン三昧とか…人それぞれいろいろとあると思うんですけど(笑)。
で、ここで考えてみてほしいのが次のようなことです。
その夢を叶えた先であなたが喜びを享受する時、周りには誰がいますか?
あなた一人では実現し得ないはずです。それはバッグを売ってくれるショップの店員かもしれないし、あなたのお金で旅行に連れて行った両親かもしれません。そういう「夢を叶えた先にいる周りの人たち」を思い浮かべてください。世の中はあなたに何を期待しているのでしょうか?
・・・ちょっと変な話になっていると感じるかもしれませんね。
客室乗務員試験をしていると、とにかく思考のベクトルが自分に向きっぱなしになり、内へ内へと入っていきがちです。だから、もっと視野を高く広く持ってみてほしいんです。CAになるということは、仕事を通して社会に出て、経済に貢献したり人とつながっていったり誰かを喜ばせたりすることであるということ。
世の中は「天秤の法則」があります。ギブ・アンド・テイクです。自分が喜びを感じる前には自分にできることをする必要があって、それがあなたにとってCAとして従事することなのであれば、一体世の中はあなたに何を期待するでしょうか?これを考えていくことが、『欲望を掘り下げていけば自己PRや志望動機につながる』と言っている意味です。
例えば私の場合、さっき言ったよこしまな欲望が全部ありました。それが私にとっての「憧れ」だったんですね。それで、今話してきた流れで自分の欲望をとことん突き詰めていくと、要するに自分は社会や人とそういう喜びを共有したり、仕事を通して自分と関わっていく人と場所や時間を共有することで喜びをシェアしてくようなことを実現したいんだな、そのためにCAという仕事が自分にとって最適だと思っているんだな ということがおぼろげながら見えてきたのです。そして、『じゃあ自分がどういうスキルを活かしてそうなっていいけるか』というように質問を広げていくことで自己 PRと志望動機につなげていきました。
『欲望』だからといってすぐに感情や思いに蓋をするのではなく、その欲望や憧れにきちんと向き合って掘り下げてみてください。人によって生きるモチベーションは様々です。だからそれをもとに芯の通った自己 PRや志望動機につなげていきましょう。驚くほど説得力のある主張を組み立てることが出来ます。
追伸1
「就活って本当に人生の縮図みたいだなぁ」と改めて思います。自分の想いは、相手のメリットになるように「伝わらなければ」合格できません。
今回の話は難しかったかも知れませんが、プロジェクトでもこの部分で大きな気づきを得る人が本当に多いです。方法論を知っても実際にやってみなければ何も変わらりません。あなたも是非、ノートやマインドマップを使って自分の欲望を掘り下げていってみてください。受け身で、いつか突然「運命が変わないかな~」って祈っていても、残念ながら現実は一ミリも変わりません。最初から自分に質を求めてはいけません。最初は100点中3点でもいいから、始めること。始めない限りは改善のしようもないですからね。
次回は、CA受験の応募書類(エントリーシートや履歴書)の作成における、実際の「テクニック」をお教えします。実際に文章を作っていくフェーズです。
追伸2
私がニューヨークに引っ越してきたばかりの時に、日系の航空会社で客室乗務員をしている友達がフライトでJFK空港に来るということで、会う機会がありました。ちょうどその時に、とある航空会社の客室乗務員がホテルで倒れてそのまま亡くなったということを聞きました。過労死だったそうです。大々的に報道されていないので知らない人も多いと思います。
原因はいろいろあるとしても、主に日本を含むアジアの航空会社が華やかなイメージを維持するためだけに広告費にお金をかけてイメージを作り上げ、その一方で、現場の労働環境を整えていないということも一因なのではないかと思います。イメージばかりが先行してしまって、それに自分を無理に押し込めて、本来の自分の適性とのギャップに苦しみながら過酷な労働環境に馴染むことができずに命を落としてしまったという例を身近で知ったことで、早い段階で自分の本来の適性や本当にやりたいこと、理想の働き方や人生と向き合っていくことが大事だなと強く感じました。そんな経緯があって今回の記事を書くに至りました。
この記事シリーズ(CA合格ロードマップ講座)の目次
- 【はじめに】人生を変えるCA受験へようこそ!
- 【マインドセット】CAに最短で合格できるかどうかは「自分への質問力」次第というお話
- 【マインドセット】TOEIC600点以下でも既婚でも未経験でも地方在住でも合格する方法
- 【対策法】実はこれだけ!CA受験対策の7つのジャンルと無駄な対策
- 【自己分析】芯のある自己PR・志望動機が作成できる”◯◯”の明確化と言語化のコツ
- 【ES/履歴書】CA合格率の高いES/履歴書の特徴と3つのテクニック←NEXT
- 【企業研究】CAに合格するための企業研究の考え方とやり方のコツ
- 【自己紹介】面接の自己紹介の組み立て方と複数パターンを準備するフレームワーク
- 【マインドセット】合格が「ゴール」になった瞬間から合格は遠ざかっていく
- 【マインドセット】私たちが一番怖いのは「時間の喪失」
- 【業界研究/職種研究】今の航空業界の流れとCAに合格する人の特徴