あなたは、いつまでも自己PRや志望動機に悶々と悩んでいたり、自分をうまくアピールすることができないと感じたりしていますか?自己分析の“負のループ”にはまっていますか?
直近の受験に不合格になるか、久しぶりにまた受験し始める時に、改めて自己分析を適当にしてみるけれど、結局核心に触れないまま放置して、放置しているうちにまた突然CAの採用募集が出て、いざ自己PRや志望動機をまとめなきゃ!と思って改めてノートを俯瞰してみても、
「やっぱり自分の強みがわからない」
「アピールできるエピソードがどれなのかわからない」
↓
また、ちょっとだけやってみる
↓
前と違うものが出てくる
↓
混乱する
↓
やり直す
↓
核心までたどり着けない
↓
バテる
↓
放置
↓
適当に体裁よく文章をまとめて受験に臨む
↓
落ちる
↓
モチベーションが下がる
↓
最初に戻る・・・
という負のスパイラルに陥っている人が多いです。これじゃあ合格できるわけないです。私のCA合格プロジェクトでは「短期間でガッツリやってスパッと終わらせる」自己分析っていうのをやってもらっていて、メンバーからこんなメールをいただきました。
過去にやった自己分析と比べて10倍くらい時間がかかったそうです。でも、この10倍の時間は、上に挙げた“負のループ”の時間は入っていません。ということは実際どのくらい効率的なのか?は、想像を絶すると思ってもらって大丈夫です。この自己分析で触れられる自分に対する「深度」が桁違いだからです。このメッセージをくれたNさんみたいに、短期間ではあるけど集中して時間を書けてガッツリやってみると見えてくることがあるのは当然っちゃ当然なんですよね。この記事を執筆している現在、Nさんから提出してもらっている大量のオリジナル自己分析ワークを見て、私から合格しやすいポイントとまとめ方のコツなどを細かくフィードバックしたところです。(追記:その後Nさんは日系大手航空会社CAに合格しました!合格レポートはこちら)この記事でまとめる内容は、この「短期間でガッツリやって、スパッと終わらせる」新しい自己分析についてあなたが理解し、実践して合格につなげるために必ず役立つことをお約束します。
目次
- 1 CA受験において自己分析をやる意味とゴール
- 2 自分を理解することと合格することはどっちが大事?
- 3 じゃあ、選ばれる(合格する)ための自己分析はどうやるのか?
- 4 正しい自己分析を最初にすることのメリット
- 5 何を自己分析すればいいのか?
- 6 志望動機・自己PR・自己紹介に繋げる強みを見出す3つの円
- 7 1.自分の性格としての「強み」を掘り下げるワーク
- 8 2.働く上での「強み」を掘り下げるワーク
- 9 大事なのは「What(何をしたか)」よりも「Why(動機、価値観、物の見方)」
- 10 自己分析であぶり出した自分の強みをどういうふうに試験で使っていくか
- 11 「誰が見ても完璧」になろうとしてはダメ
- 12 たくさん書き出したものから、使えるものを抽出する
- 13 自己分析についてフィードバックやアドバイスを貰うときのポイント
- 14 既卒がCA合格にするための自己分析まとめ:今すぐ作業開始。
- 15 自己分析の後にやることは?
CA受験において自己分析をやる意味とゴール
さらっとインターネットで検索してみたら「自己分析のゴールはなぜCAになりたいのかを明確にするため」と書いているブログを見かけましたが、すみません、違います。もしあなたが「なぜCAになりたいのか」に答えられるようにするために自己分析をし始めたのなら、スタートから道を踏み間違えています。そして、おめでとう!このページでまずは正しい道を選ぶことができた分、他の受験者からアドバンテージを得たも同然です。よくぞここにたどり着きました、拍手。モヤモヤしながらググるのはもうおしまい。このページを安心して読み進めてください。
「なぜCAになりたいのか」は、実はとても奥が深いテーマだし、ぶっちゃけそんなの自分でわからなくてもCAに合格している人がたくさんいます。あなたがこっそり「なんであの子は合格したんだろう」と思ってしまうかつての同級生や同僚や知人を思い浮かべてみてください。人生で成し遂げたいことが既に決まっているような人でしたか?おそらくそういう人のほうが圧倒的少数でしょう(そういう人もいるかもしれませんが)。
さて、ここまで読んで気が付きましたか?
自己分析をする時、自分に焦点を当ててばかりいても見えてくることはほとんどないのです。合格のためにあなたが焦点を当てるべき別の存在があります。それは、面接官です。
自分を理解することと合格することはどっちが大事?
自分をどれだけ理解しても、結局「選ばれなければ」不合格ですよね?だから、自己分析=自己理解という単純な話ではないのです。もし自己分析=自己理解なのであれば、ネットで話題になるようなサクッとできる診断テストでも使って占いを楽しむように暇をつぶしておしまいです。あれはもはやただの娯楽。そうやっていつまでも自分にベクトルが向いているとCAに合格できないどころか、仕事や人生を通して人や社会と繋がっていく楽しさや喜びをミスしたまま気がついたら老後でしょう。(そう、だからこれは人生全体に通用する自己分析のしかたにもつながっていくのです。とはいえ、けしてCA合格のために遠回りというわけではありません、むしろ近道なので、ついてきてください。)
じゃあ、選ばれる(合格する)ための自己分析はどうやるのか?
まずは面接官側の視点に立つところからスタートします。スタート地点が自分じゃないのです。・・・ね、そんな自己分析やったことないでしょ。でも考えてみてください。採用試験という機会において膨大な数の応募書類から人を選ぶ時、至上命題が”利益追求”である一般企業の採用担当者は何を考えていると思いますか?
それは、「この人はうちの会社にとって得か、損か」です。異論はありますか?ないですよね。じゃあ、そういう場で「得だ」と思わせることができれば合格できる。そのための材料として、実務的なスキルや能力・人間的な魅力やパーソナリティ・・・といったものが挙げられます。それを探っていくのが自己分析です。
正しい自己分析を最初にすることのメリット
- 自己紹介・志望動機・自己PRが書きやすくなり、書類から最終面接まで一貫性をもたせられる
- CA合格に足りているスキルを伸ばして、足りていないスキルのカバーの仕方を対策できるようになる
- 自分が何を重点的に対策する必要があるのかがわかるから結果的にスキル部分もカバーすることになる
自己分析をせずにスキルを伸ばそうとすると時間が足りないんです。「すべて完璧」とか「才色兼備」にならなければCAになれないわけではないんですよ。全部やろうとしないでください。時間の無駄ですよ。基準点に満たないものを判断する力と、あなたにとって重要じゃないものを捨てる勇気も持ってください。
何を自己分析すればいいのか?
やることは大きく2つあります。
- 自分の性格、強み弱み、キャラクター、人となりを自己分析する
- 自分のスキル、経験、強みを仕事という観点から自己分析する
ここでちゃんと理解してほしいのが、この2つの「強み」は全く違うことです。1つ目の強みは、育ってきた環境で築き上げられてきたあなたの人格や性格についてであり、2つ目の強みはあなたが「働くうえで」実際にどんな功績を出してきたか、チームの中で・生産性を追う場面で・社会で、どのように貢献できるのかということなんです。
志望動機・自己PR・自己紹介に繋げる強みを見出す3つの円
上記の「強み」2つで何を自己分析しているかと言うと、「やりたいこと×できること」の両方をきちんと掘り下げているということになります。
ここで少し話がそれますが、あなたのCA受験だけでなくこれからの人生を動かす鍵を探るためには下図の3つの円が重要です。
3つとは
- 「やりたいこと」
- 「できること」
- 「求められるニーズ」
です。この3つの円が重なる中心の部分を追求することで、軌道に乗りやすくなる―つまりそこがあなたのSweet spot(最適箇所)になります。
で、話を戻すと、CAという職業はもちろん、お客様を目的地へ安全に送り届けるその空間の中で最高のサービスをするというのがお客様に求められる存在理由なので、その「ニーズ」に関する円は明確だと思ってしまいがちです。
実際のところ、多くの人が「やりたいこと」や「自分で思っている自分のできること」ばかりに目を向けていて「ニーズ」に対する分析はほぼゼロの状態で対策をしていますが、合格のための自己分析として自分のことを掘り下げていくときに、ある視点で「ニーズ」の円を意識することは絶対に必要です。そのある視点とは
- 【周りから求められている自分】
- 【チームの中での自分】
- 【社会の中で求められている自分】
といったもの。ここで、CA受験という枠を超えて、自分の存在意義や、人生や働くうえでの価値観みたいなものが関わってくる話になってしまいますよね。こうして考えることの範囲が広がった途端に、考えることを辞めてしまう人が大半なのです。それが実は近道であると知らずに…。
自分を客観的に捉える視点を取り入れたうえで「できること」「得意なこと」を立体的に分析していくことで、CAに合格するために重要な魅力ある(つまり、膨大な受験者の中から選ばれる)自己紹介・自己PR・志望動機が作れるようになります。(応募する企業が決まっている場合にはこの「ニーズ」の分析に企業研究を絡めることが重要で、それが最も簡単な合格の鍵なのですが、この記事は自己分析の一般的な構造とやり方を説明する記事であるため、具体的な掘り下げについては割愛します。)
※自己分析の“全体像”と“とりあえずの「終わり」”をイメージできるかどうかは合格に直結しますので、ここまでをさらっと読み流した人はもう一度、自分の中で噛み砕きながら読んでみてくださいね。
それでは、上記で出てきた2つの強みを具体的に掘り下げる質問をピックアップしていきます。
1.自分の性格としての「強み」を掘り下げるワーク
自分の性格、強み弱み、キャラクター、人となりについて
(幼少期、小学校時代、中学校時代、高校時代、大学時代、社会人3年スパンくらいずつ)
- 勉強、クラブ、学外活動は何をしていた?
- 何故それを選んだの?
- 友人関係、家族関係はどうだった?簡単に人には言えない問題がある?
- 趣味、特技、好きなことは何だった?
- 今につながっているものはある?
- 印象に残っている出来事は?なぜ?
- 力を入れていたことは?なぜ?
- 将来の夢は?そのためにしたことは?
- 克服したこと、達成したことは?
- 嫌だったこと、怒ったことは何だった?
- 解消したかったコンプレックスは何?
- 辛かったこと、大変だったことは?
- どうやってそれに対処した?それでどうなった?どう感じた?
- 楽しかったこと、嬉しかったことは?
大事なのは「What」ではなく「Why」(動機、価値観、物の見方)
あなたが今の性格になっている強みや弱みの理由や経緯が何だったのか、そのパターンや印象的な出来事を掴んでください。そこで「何をしていたか=What」ということに加えて特に大事なのが、「なぜそれを選んだのか」または「なぜ辞めたのか」という動機(Why)にしっかりと光を当てることです。
人は、実は嬉しかったことよりもネガティブな経験「怒ったこと」「コンプレックスだったこと」「逆境」「嫌だったこと」によって精神的に成長していくことが多いので、過去を思い出すことで辛いことがある人もいると思いますが、そこにも向き合って、過去の経験や感情が今の自分にどうつながっているのかを見出してください。
2.働く上での「強み」を掘り下げるワーク
アルバイト、インターン、就職経歴にとどまらず、もっと遡って、家族内での役割や町内会での行事で努めた役割など、何かしら自分のリソースを誰かのために使った経験の中で、どんな心の動きがあったり、どんな成長をしてきたかということを掘り下げてください。
- 業務内容は?
- なぜその仕事を選んだの?
- なぜその仕事をやめたの?
- 最高にやりがいを感じた瞬間は?
- なぜそれにやりがいを感じたの?
- それであなたはどのように成長したと考えているの?
- その経験で身についたスキルは何?
- 憧れていた人は?なぜ?
- 失敗した経験は?その背景は?
- 同僚に助けられた経験は?
- 同僚に感謝されたことは?
- 上司に助けられた経験は?
- 上司に助けられたことは?
- 逆境を乗り越えるために役に立った情報・経験は?
- あなたが大切にしてきた仕事のルールは?
- その仕事をしているときのプライベートの充実度・心の満足度は?恋愛は?友人関係は?家族は?
- これから大切にしたい仕事のルールは?なぜ?
大事なのは「What(何をしたか)」よりも「Why(動機、価値観、物の見方)」
自己分析の初期段階で最も重要なポイントは「質よりも量」だということです。過去の一つ一つの仕事、インターン、アルバイト、お手伝い経験について、それぞれの項目すべてを書き出すことです。徹底してください。そしてここでも先ほどと同じように「何をしたか」も大事だけれど「なぜそれを選んだのか」「なぜ辞めたのか」「どんなところにやりがいを感じたのか?」「何が一番つまらなかったか」といった心の動きまで掘り下げることです。さらに、その仕事をしていた時のプライベートの充実度・気持ちの充実度まで振り返ってください。
ここまで本当に徹底して書き出すと、自分がどういうふうに育ってきたか・どういうふうに今の考えになったのかの流れやきっかけにパターンがあることや、カテゴリーに分けられるということが見えてきます。
さて、ここからが本題です。疲れましたか?好きな飲みものでも用意して、少し休んでくださいね。
自己分析であぶり出した自分の強みをどういうふうに試験で使っていくか
そもそも面接官があなたの何を見ているかと言うと、あなたの「物事を見るフィルター」なんです。言ってしまえばすべての面接におけるすべての質問が、自己PR・転職理由・志望動機のいずれかにつながっていると言っても間違いではないでしょう。
面接で表面的に聞かれているのは下記のようなことでも、
- あなたの人格・性格・仕事に対するスタンス
- これまでの仕事経験で培った専門知識・スキル
- 場所が変わっても応用できるスキル・強み
このすべてについて、その根拠となるあなたのエピソードがなければ試験で語ることができる材料にはなりませんし、仮にエピソードがないのにアピールしても、面接官にとっては掴み所がないため結果的に選ばれない=合格できない、ということになります。
例えば具体的に言うと、「あなたの好きな色はなんですか?」「あなたを一言で表すと?」「あなたの好きな引用句は?」「座右の銘は?」といった、面接官の意図がよくわからない抽象的な質問ってCA受験でもよくあるんですけど、それって何を聞いているかと言うと、その抽象的な質問に対応する抽象的な答えだけが欲しいのではなく、その裏にある「あなたの価値観」や「物事を見るフィルター」を聞いているんです。(アピールしたいことに対してエピソードがないという場合でも、その前後の発言や印象のバランス等を考慮することで全体的な戦略として敢えて使えるアピールになる可能性もあります。これについての詳細は印象戦略の記事を参考にしてください。)
あなたが「そう考えるに至った背景」や「何故そう考えているのか」という想いや裏付けとなるエピソードを知ることによって、あなたがどういう性格をしているのか・うちの会社に向いているのかということを探ることが、採用試験における面接官のそもそもの役割なんです。だから、自己分析を間違ったやり方で(自分の目線からしかやらない、自分本位のままの分析方法で)やっていると、自分のことを語れないし面接官も判断しようがない、ということになってしまいます。
「誰が見ても完璧」になろうとしてはダメ
CA受験って、どうしても「完璧」とか「もっと上の自分」を目指したくなっちゃうんですよね。その気持ちは本当に本当によくわかりますよ。私自身がその闇に飲み込まれて暗いトンネルを歩き続けた一人です。でも、実はそれもイメージや噂に引っ張られてしまっている証拠なのです。冷静になりましょう。
実際に、少し前の時代は、客室乗務員が会社の広告塔であった時期がありました。英語ができれば合格しやすい時代、容姿端麗な人が受かりやすい時代、有名大学を出ていれば受かりやすい時代…。
もちろん、今もその傾向が残っていることは事実です。機内という今も少し特別な場所において会社のファンを増やせるかどうか、そのフロントラインに立っている客室乗務職として、二ヶ国語以上話せたり容姿が良かったりすることは、確かに一般的なアドバンテージとなり得るでしょう。お客様の安全を守るという意味では、複雑で煩雑なセキュリティに関する知識を正確に覚えられ、本当に緊急時にその知識を的確に行動に移すことができるスキルや能力が求められていることは昔も今も変わらないとは思います。ただ、飛行機は交通機関ですから100人いれば100通りのニーズが存在する環境なので、誰が見ても完璧な存在になろうとするのは意味がないんですよ。だって、誰が見ても完璧な人って存在しないじゃないですか。10人いたら必ず2人はあなたのことを嫌う人がいる、みたいなのが世の常です。
論点が行ったり来たりして申し訳ないのですが、地上とは全く違う環境で人の命を預かる仕事ですから、判断力やコミュニケーションスキルが一般的に高いことが必要とされる職業であることは確かなので、あなたがあなたなりに『自分にとっての完璧』は目指す必要があるということです。そこに「他人の評価基準」は存在しませんよ。ただし、それはさっき紹介した3つの円の1つにあった「ニーズ」を無視するという意味ではありません。『あなたにとっての完璧』っていうのは、あなたが物事を見ているフィルターや人生を歩んでいる価値観のフィルターを自覚しなければそもそも目指せないし表現できないし「選ばれない」のです。
たくさん書き出したものから、使えるものを抽出する
さっき書き出してもらった自己分析の膨大な情報の中から、今につながっているあなたの物事を見るフィルターが作られたことやその経緯がわかるエピソードを選び取ってください。もっと大事なのが、その自己分析をもとに自己分析や志望動機という試験で使うフォーマットの文章に落とし込んでみるということ。実際に試験を受けてみるとか、アドバイスをくれる人に相談するとかです。自分の中で考えても出ないことがあるからです。これをするためには、まず自分で選んでみてから家族や友人や私のような存在に聞くことが非常に大事です。自分のことを自分で客観視するのは“絶対に”できないことなのに、合格のためには必要だからです。例え本命の航空会社でなくても、自己分析をもとにしてつくった自己分析や志望動機を用いて実際に受験していきましょう。それ自体が実は合格への近道なんです。どの航空会社であれ「本番の試験」には独特の雰囲気があるので、そういうところでしか磨かれていかない感覚があるからです。感覚値はそのまま合格につながっていきます。自分の中で考えて考えて完璧に仕上げても、この感覚値だけは実際に外に出していかないと磨かれていきません。どこをどう直していけばいいのかわからないまま考え続けても、ドツボにはまるだけです。ただ、そうは言っても、いろいろな境遇があると思うので、実際に試験を受けていくことが時間的にも場所的にも難しい人もいると思います。そういう人は、少なくとも、家族や友人ではなく、全く知らない人に自分の自己分析や自己分析をもとにした自己PR・志望動機等について聞いてもらうということが大事です。とにかく「外に出す」のです。アウトプットですね。機会を作ってみてください。もちろん私に相談できる機会がある人は使ってください。
自己分析についてフィードバックやアドバイスを貰うときのポイント
国内の大手航空会社に合格している方から相談のメールへの回答を通して、合格するための自己分析について補足したいことがあります。
『大手に合格はしていますが、実は自分には他に行きたい会社があり、どうしようか迷っています。でも両親や周りからは「◯◯(国内大手エアライン)に行ったほうがいい」と言われて迷っています』
とのこと。
親や友人は大手を勧める―、そりゃそうですよね、安心安全ですもん。でも、大手に合格をもらいながら迷っているこの方は、自分の中に別の価値観があるから私に相談してきているはずです。
このケースからもわかるように、自分のことをよく知ってくれている人(家族や友人)に進路について相談に乗ってもらうことは、あなたの人生を結構深いところで左右してしまうデメリットのほうがメリットよりも大きい場合があるということをわかっておいてほしいのです。もちろんメリットもありますよ。安心できるし、本当にあなたの事を考えてくれる身近な存在にデメリットなんて考えたくないと思います。私も、家族や友人は本当に大切な存在なので、そんな事考えたくありません。でも、あなたが迷う複数の方向性の間にあるギャップが大きければ大きいほど、あなたにとって人生を変えるような大きな挑戦であればあるほど、大切な人はあなたの安全を真に願い、あなたを今の場所にとどめようとします。ご両親があなたを育ててくれたり、友人があなたを勇気づけてきてくれたからこそ今の自分がいるとしても、あなたの夢はあなただけのものでいいのです。自分の「◯◯になりたい」「◯◯をやりたい」という欲求に他の誰かを介在させることはその誰かへの思いやりにはなりません。自分の欲求は自分の為に叶えてあげてください。だから、少し違和感があっても、あなたのことを先入観無しに見てくれる「全く知らない人」に自分の夢への道をリードしてもらう機会を大事にしてください。これが、実際に本番の試験を受けるくらいの「客観的フィードバックを得られる数少ない機会なのです。(大切な人がドリームキラーになり得るという話は私が個人的に思い入れが強いこともあって話を大きくしてしまいましたが、そもそも書類審査は、あなたが居ないところで文面だけであなたがどういう人かを判断して面接に呼ぶかどうか決めるという性質があることを考えると、全く知らない人に初期段階で聞いてもらうことがいかに重要であるかがわかると思います。)
人に見てもらう場合は、作った文章や発言だけでなく、その文章・発言が導き出されるもとになった自己分析をやったノートも一緒に見てもらうことが非常に重要です。そうすれば、そのノートの中から「選ばれるために使えるトピックは何か?」というのを選んでもらうこともできるでしょう。
既卒がCA合格にするための自己分析まとめ:今すぐ作業開始。
何はともあれ、この記事でご紹介した質問を時系列ごとにたくさん書き出した上で、これまで自分が生きてきた経緯や醸成された価値観の背景を俯瞰してみてください。
その後、志望動機・自己PR・自己紹介にできそうな要素で、自分にとって納得度が高いものを実際に文章に落とし込んでみたり、足りないとわかった(今から少し頑張れば伸ばせる)スキルは何なのか、何を優先的に対策すればいいのか、ということをまずは考えてみたりしてください。
自己分析の後にやることは?
私が現役として受験していたときにも、あなたのように「自己分析ってどうやるんだろう?」とたくさんの情報を探しました。本を読んだり、当時はまだ少なかったインターネットの情報を読み漁ったりしていました。その時に苦労したのは「自己分析のやり方」については書いてあっても、それをどう実際の試験のために使えるようにしていけるのか・どう落とし込んでいくのか、が書かれている情報は全くと言っていいほどなかったことです。今も一般的にその状況は同じで、CA受験に限らず、就活全般の対策が【構造的・体系的】に説明されている情報はほとんどないと思います。ですので、過去の私と同じように「自己分析のやり方は大体わかった。・・・で?」という不安や疑問を持っている方のために、最後に方向性を示してこの記事を終わりたいと思います。
CA受験における合格のための自己分析は、この後の印象戦略につながっていきます。
さっきお話ししたように、そもそも書類審査は、“あなたが居ないところで文面だけであなたがどういう人かを判断して面接に呼ぶかどうか決める”という性質があります。ということは、書類審査の時点で既にあなたは何らかの「印象」を先方に与えていることになりますよね。そして面接という場所で初めてホンモノのあなたを見せるとき、リアルの場所で人が人に与える印象は、言語ではない、つまり非言語の情報量がとても多い(非言語情報:雰囲気、姿勢、声質、声色、表情、容姿・・・)ということを考えると、アピアランスをどのように決めていったら良いか・どういう発言をしたら合格に近づけるのか、が自然と見えてくる=対策できるということになります。これを私は「印象戦略」と呼んでいます。選ばれるような雰囲気を出していったり、書類で与えた印象とのバランスを取っていったりすることです。ネットや周りの噂から仕入れた「こうすると合格しやすい(?)」という脆い情報に頼ってテクニックばかり付け焼刃的に身につけても、結局、書類の文章や面接での発言が中身のない内容になったり一貫性がないものになったりして選考段階のどこかでボロが出てしまうので、その自己分析をもとにあなたの魅せ方を組み立てていくことで非常に効率よく合格に近づいていく、そのためにまずは自己分析をやる、という流れがあるというのを補足しておきます。印象バランスの戦略についてはこちらの記事から連載しましたので参考にしてください。