客室乗務員試験は書類審査の倍率が高いです。しかも、何社も受けていく行動力が合格に近づいていくキーの1つだとしたら、毎回1つの書類を完成させるために時間をかけていると、あなたのエネルギー切れが起こったり書類を書くこと自体がストレスになったりします。それで合格を遠ざけるのはもったいなさすぎます。実は書類には通過するテクニックがあるので、それを押さえると、募集が出てすぐに書類を作成でき、ストレスなく試験を受けることができるようになります。
目次
応募書類は、あなたの”分身”
書類はあなたの分身です。膨大な数のエントリーがあるので、実はその段階では内容よりも印象で足切りされていることがあります。書類にそもそも印象なんてあるのか?ということについて、私の経験を少し話すと、私は地上職をやっていた時に応募書類を見たことがあるのですが、文章や文字だけでも「この人の話もう少し聞いてみたいな」と思わせることは可能です。文字は人を表す、と言いますよね。具体的に書類審査の時点でどんな印象を見せられるか、例を挙げればきりがないのですが、丁寧さ、慎重さはもちろんのこと、落ち着きやバランス感覚、配慮、気配りというところまで、細かく見ることができます。
書類作成の「大前提」
それでは書類を作るための実際のポイントをピックアップしてお伝えしていきたいと思います。
まずは、書類作成における大前提を3つお伝えします。
1.枠は過不足無く使う(空間、時間の感覚)
まず1つめは、与えられた枠は過不足なく使うこと。これは次の段階である面接でも言えることなのですが、面接で「1分間で自己紹介して下さい「と言われたら、その通り過不足ない時間で言い終えるのが理想です。全く同じことが書類の枠や文字数についても言えます。
書類でもWebエントリーでも、手書きのエントリーシートでも、「◯◯◯文字以内」という文字制限をされることが多くなってきていますよね。その指定文字数の90%ぐらいを目指してほしいんです。50%、80%だとちょっと足りなすぎるし、100%超えてしまうともちろんダメです。過不足なく使うことをまず、心がけてください。
2.必ず下書きする(手書きでもWebエントリーでも)
そして2つめ、必ず下書きしてください。手書きでもWebエントリーでも当てはまることです。添削してもらえる場合は下書きを必然的にすると思うんですけど、添削の機会が無い人も必ず、手書きだったらその用紙に鉛筆で下書きをするのはもちろん、Webエントリーの場合でも、パソコンやスマホのメモ帳を使って必ず下書きして、そこで「編集」を重ねてほしいんですね。
※手書きの場合はもちろん鉛筆で下書きしたところを徹底的にきれいに消すということは忘れないで。
3.細かいところまで気を抜かない(日付、句読点)
そして3つめ、細かいところまで気を抜かないことです。具体的に言うと、履歴書やエントリーシートの日付を書くところは、その書類が相手の手元に届く日にちを想定して入れるとか。実際に声に出して読んでみたときに読み手にストレスが無いような句読点を付けるとか。特に手書きの時、男女のところに〇を付けたり選択項目やチェックボックスにチェックを付けたりするような箇所があると思うんですが、そこで書く〇とかチェックにも気を抜かない。そういう部分です。内容がどうであれ、そういう細かい部分の至らなさがちょっとした違和感になり、ゆくゆくは不合格の原因になってしまいかねません。それが直接不合格につながるというよりも、不合格の要因になる可能性のあるものは、できるだけ排除していこうというスタンスです。
具体的なテクニック
具体的なテクニックとしては、レイアウト、見出し、数値化という3つのテクニックを押さえます。ひとつひとつ見ていきましょう。
1.レイアウト
いわば、書類全体があなたを表す「絵」だと思ってほしいんですね。ひとつの作品だと思ってほしいんです。形式がすでに決まっているもの(例えばWebエントリー)であればレイアウトも何も無いと思うかもしれませんが、ここで言うレイアウトというのは用紙全体の文字配置のバランス、文章の内容のバランスという意味も含まれます。自分が書く内容が設問に対する的確な答えになっているのはもちろんなのですが、書類全体として自分を表すもの(分身!)になるので、複数の設問の答えを総括して見た時に全体として内容のバランスが整っていたり筋が通っていたりすると通過しやすい傾向があります。
2.見出しをつける
見出しをうまく使いましょう。なぜか。これは、あなたの脳が日常生活で膨大な情報をピックアップしているときの無意識の感覚を利用するものです。例えば、スマホのニュースのキュレーションサイトや、新聞、雑誌、電車の吊り広告などを見ているときの自分を思い出してみてください。無意識に気になる情報が目に入ってきたり気になったりすると思います。あなたの視覚や脳が、目立つ見出しや絵に惹きつけられているんですね。このことを履歴書やエントリーシートを書くときに考えて落とし込んでみてください。
採用側の立場に立って考えてみると、多いときで1万通を越えるような膨大な量の書類を見るとき、どういう感覚で選んでいるのかというのは、あなたが日常生活で情報を無意識にピックアップしている時の感覚にすごく似ているからです。見出しを使うことで自然と先を読ませるような工夫をしてみてくださいね。
3.数値化する
エントリーシートの中で使う自分の経験のエピソード、やってきたことの経験、そういったものを表すときには必ず数字を使ってください。人は数値化されたものを信頼しやすいという心理があり、とにかく分かりやすいし伝わりやすいです。この「数値化」は、ほとんどの人がエピソードの中で必ず1度は使えるテクニックです。ここでは、自己分析で自分を表現する経験や能力やスキルをまずあぶりだし、それを数字という共通言語に変換するような感覚で使うと良いでしょう。
書類審査の「本質」
書類審査は、書かされる/答えさせられる機会ではなく、相手の求めていることに応える形で自分をアピールする絶好の機会です。徹底的に×多角的に×一気に終わらせた濃い自己分析で見えてきた自分と応募する会社がどうマッチングするのか、ここでご紹介したテクニックを使いながらうまく表現してくださいね。今すぐに応募できる企業がない人は、過去の試験情報を用いて、仮でいいので自分情報を言語化する練習をしておくと良いでしょう。