この記事では、CAに合格した印象バランスコントロールの流れと具体的な中身を、私自身を事例にして解説しています。印象バランスコントロールについての概要や大枠のステップイメージについては、まずCA受験で合格する第一印象のための対策方法【PART1】をお読みください。
目次
印象戦略をCA採用試験で活かすための具体的なステップ
印象戦略は自己分析の延長です。CA合格のためには書類選考と面接という2段階の採用プロセスを通過する必要がありますので、合格まで導く自分を作るためには、書類を書く時点で面接で与えるあなたの印象を見越した印象バランスを考えなければいけないということです。ここでは下記の順番で、そんな包括的に使える印象戦略を取るための自己分析をしていきます。
- 外見イメージを探る
↓ - 書類イメージを探る
↓ - 不足イメージを探る
↓ - 補充イメージを探る
↓ - 事実と紐づける(それぞれのエピソードを探す)
↓ - 言語化する
ここから、上記の流れがどのように展開していくか、私自身を事例にして解説していきます。
印象戦略で合格した事例
1.外見イメージを探る
例えば私の場合はだいたい、初めて会った人に与える第一印象がこんな感じです。(実際には、自分でする自己分析の他、これまでの試験結果、周囲への聞き取りや、キャリアカウンセリングなどで外見イメージを探っていきます。自分では自分のことを客観的に見ることができないので、自分だけでする自己分析で済ませるのは不十分です。ですがここでは印象戦略の大枠を説明しているため、どうやって外見イメージを正しく把握するかの方法については割愛します。)
- 柔らかさはあまり感じられない
- 真面目そう
- リーダーシップがありそう
- 協調性は不明
- プレッシャーに強そう
- サバサバしていそう
2.書類イメージを探る
私は言語情報で物事を処理するタイプであることもあって(参考:認知特性とは?)書類を見た人が受ける印象としては、物事を深く考える傾向がある人だと思われることが多いです。それから、過去に転職が多いので、積み上がっているキャリアや継続力があるのかどうか疑問を持たれる可能性が高いというのも私の書類上の印象になり得ます。
3.不足イメージ、補充イメージを探る
重要なのは「私自身が自分のことをどう思っているか」との差(ギャップ)です。外見イメージとは裏腹に、私自身は自分のことを緊張しやすいタイプだと自覚していますし、近しい人には妹的存在と言われることのほうが多いです。一方で、転職が多いことは自身のなさに繋がっているのは外から見た自分の印象と一致する要素でした。
こういうふうに「私自身が自分のことをどう思っているか」との差(ギャップ)を意識すると、CA合格のためにどう補充をするとよいのかが自然と見えてきます。それが戦略になります。私の場合であれば、
- 転職が多いので何を自己PRにすればよいのか分からない
↓
それをカバーするために1つ1つの仕事における視野の広さを生かしてどのようにチームや会社に貢献してきたかを説明することにフォーカスすることで補充しなければならないイメージを付け加えていこう
という戦略をとりました。
見た目に関しては、
- 見た目で受け取られやすい印象と自分で自覚している自分には差(ギャップ)がやや大きい(リーダーシップを発揮した経験は少ないし、すごく緊張しやすい)
↓
何らかの形で、自分の自信の無さやリーダーシップの無さを埋め合わせるか、もしくは、敢えて見せることで自分という存在を正しく表現できると考えた
↓
自信やリーダーシップの無さはどう考えてもネガティブなことであり、自分からネガティブプロモーションをする必要は無いので、人間的な自然な笑顔を見せたり、ちょっと場を和ませることを言ってみたり、あまりガチガチに準備してきていないというナチュラルさを見せるということを面接で意識する
という戦略を取ることが功を奏して合格に至りました。
4.事実と紐付ける
上記のざっくりとした戦略の方向性が見えたら、それぞれのエピソードを探します。
5.言語化する
書類や面接を想定して、自己PR・志望動機・自己紹介・面接の頻出質問への回答に相当する文章に落とし込んでいきます。
印象戦略のポイント:私の経験から
1.自分の立ち位置を自分ではっきりさせること(自己認知)
私は就職が決まらないうちに大学の単位を取り終えて早期卒業したので、身分的にすごく宙ぶらりんな状態だった時期があります(学生でもないし、社会人でもない)。その時にお世話になっていた進路指導の方に「自分の立ち位置をはっきりさせないと発言がどっちつかずになってしまう」「どっちの自分があなたなの?」と指摘されました。自分が持っているアイデンティティが試験では対外的に滲み出るので、自分が自分をどうポジショニングしているかは非常に重要なのです。
面接の基本は、自分の言いたいことを言う場所ではなく相手が知りたいことに答えることではありますが、自分の自分に対する認知(自己認知)と、自分が初対面の人に与える印象を正しく認知して、先回りして戦略をとることは合格のために不可欠です。
2.本当の自分より“良く”見られるのはリスクになる可能性も
もう1つ、印象バランスコントロールの重要性に気がついたエピソードがあるので共有します。
とあるCA採用試験の4次選考で英語リスニングテストがありました。1人ずつヘッドホンが置かれた長机まで行き、ヘッドホンから聴こえた内容をそこにいる面接官に伝える、という流れでした。リスニング内容は機内アナウンスの一部だったのですが、私には全く聞き取れないところがあり、聞いた内容のほとんどを面接官に伝えることができずに席を立ちました。
すると、別のところでその様子を見ていた別の試験官が、まるで私をすごく昔から知っているかのように近づいてきて「どうした!お前らしくないぞ?」みたいな感じで声をかけてきたんですよ。
その試験は長丁場の試験で、当日既に筆記試験、英語試験、アームリーチやロールプレイングなどを終えていたこともあり、キャラクターが立つ受験者は社員とのふれあいに馴染む人が出てもおかしくはありませんでしたが、私はそういう状況でそういうふうになるキャラではないという自分認知があったので、声をかけられたときは飛び上がるほど驚いたのです。
採用を担当した社員に後から話を聞く機会があったのですが、4次選考(リスニング)までに終えている3段階の試験の様子から、私の印象は下記のようなものだったそうです。
- コミュ力が高そう
- 同調圧力に動じなさそう
- プレッシャーに強そう
- リーダーシップがある
- バイタリティがある
つまり、採用側には、私が自己認識している自分の特性よりも能力が高く映っていたということです。むやみに「この人は能力が高そうだ」という印象を与えてしまうことでハードルが上がってしまい損な可能性があります。結果的に合格した試験でしたが、印象が自分で把握できていないのはリスクになることに気がつけたエピソードでした。