客室乗務員になるための「素質」や「適正」や「資格」があるとなんとなく思っている人が多いですが、事実はその真逆です。客室乗務は、これといった資格や経験を必要とされない、稀に見る“誰でもなれる職業”です。でも、いまだにCAに対するイメージに自分の首を絞められている人が少なくありません。もし下の中に1つでもあてはまったら、これはあなたのための記事です。
- 私は身長が低いから客室乗務員になるのは難しいと思ったことがある
- 面接で英語で会話するのはハードルが高いと感じている
- 客室乗務員になるために有利かもしれないと思って取った資格(秘書検定、日本赤十字関連、介護関連)がある
- 客室乗務員になるために有利かもしれないと思って留学した
- 私は社交的じゃないからCAに向いていないかもしれない
- 客室乗務員になるために有利かもしれないと思って今の職場(バイト先)を選んだ部分がある
- 私はオープンマインドだからCAに向いていると思う
目次
この記事を読むことで
あなたが客室乗務員やその採用試験に対して、なんとなく抱いているイメージから自由になってもらい、あなただけの適性(つまり魅力や強みなど自己PRになるもの)の見つけ方をお伝えしていきます。客室乗務員試験に対してあなたが抱いているイメージで、現実とはかけ離れているものがある場合があります。もし、その間違ったイメージを持ったまま、それに今の気持ち(モチベーション)や行動が左右されてしまうと、掴めたはずのチャンスをみすみす逃すことに繋がります。だから、自分はCAという仕事にどんなイメージや先入観を持っているのか明らかにし、どんな基準を持って試験対策をすればよいのか、どうしたら合格につながる行動ができるのかを見つけていきましょう。
試験で重要なのは本質を見抜く力
CA合格のために本質を見抜くことがなぜ大切なのかについてはこちらの記事で既に書いたので読んでいない人はそちらを読んでからこの記事に戻ってきたほうが良いかと思います。
客室乗務員試験についてあなたが持っているイメージや暗黙の了解だと思っていることは、あなたの行動を妨げる理由になっていませんか?それを自分で疑い、少しでも可能性を見出す事ができれば「受けてみようかな」という思考になり、実際の行動に繋がって、合格のチャンスとなります。
たとえば、以前頂いた相談にこんなものがあります。
Q:短大・専門学校卒でも客室乗務員になれますか?
そもそもの話ですが、この質問が出てくるということは「短大・専門卒だとCAになれない」という事前情報がある可能性がとても高いです。その情報自体をまず疑う必要があるということです。(ちなみにこの質問への回答は、「短大・専門卒でもCAになれます。」)とにかく、あなたが持っているCA受験に関する情報の根拠・情報源は正しいものかをまず見極めましょう。その後、自己分析から自分の強み・能力をアピールポイントにして自己PRや志望動機を作っていきます。
無理やり素質・資格を作り上げる必要はない
自己PRや志望動機の準備にあたって「素質」や「適性」について考えてしまう人にまず知ってほしいのが、客室乗務員という職業の本質です。客室乗務員や航空業界の本質にはこんなものがあります。
- 飛行機は交通期間の一種
- 空の上という限定的な空間でお客様に関わること
この2点からどういうことが言えるかと言うと、
主にメディアの影響で「CAといえばこんな人(であってほしい)」というイメージが確立してしまっていますが、実際は、お客様が100人いれば100通りのニーズがあるので、会社側もその幅広いニーズに対応できるように色々な人材を揃える必要があるということです。・・・さて、お気づきですか?CAに相応しい適性や素質なんて実は存在しないのです。あなたは、勝手なイメージをもとに目標を立ててしまっていないでしょうか?もしこれまで、そうしてきてしまったと気付いたら、具体的にどうしていけばいいのか?ここから解説していきます。
「自己一致」する
ここで重要になってくるのが「自己一致」するということです。自己一致とは、自分自身の情報(性格、強みなど)に自分自身が納得していて、且つ、人に伝えたときにも相手にすんなり納得してもらえる状態です。なぜこれが大事かと言うと、最近の面接のトレンドが「掘り下げ質問型」だからです。自己一致していないと、面接で掘り下げられた時に適当に答えを出すしかなくて結局太刀打ちできないですよね。自己一致できるような自己分析・職業&企業研究のやり方で、あなたの性格・強み・資質・能力を伝わるように言語化していくのが合格への具体的な準備となるわけです。
実際の合格者いろいろ
今客室乗務員として働いている人や合格した私の周りにいる3名を紹介することで、ここまで書いてきたことに納得がいくと思います。
1人目:
真面目で表情が固く、愛想が悪い。しかし一生懸命であるので、周りが可愛いがり手助けしたくなるような性格の人。
2人目:
身長は155㎝と小柄。とにかく面倒見がよく、明るく仲間を引っ張って行く人。
3人目:
目立たない。しかし協調性が高く、仲間を良い方向へ自然と導いてくれる人。
・・・どうでしょう?いろんな人がいますよね。一般に言われている「身長160㎝以上」「愛想が必要」などの素質があったり目立つ能力・スキルがあることがそれほど重要ではないと実際の合格者を見ればわかります。
会社側の意図を知る
ここまで読んでくれたあなたに、もう1つとても重要なことを。採用面接は「相対評価される場所」です。会社側は、自分の会社に既に在籍している乗務員や、同じ日に受けている受験者のバランスを見て採用を行っています。例えば、既にいる乗務員とは違う性格の人がほしいかもしれないし、同じような人がほしいかもしれないし、そうじゃないかもしれない。そんなの、わかりっこないです。(なのでこの章のタイトルは、厳密に言えば「会社側の意図(があるということ)を知る」ですね。)ということは、合わせる基準なんて、そもそも存在しないということです。
まとめ
合格しそうな「素質」「適性」「資格」に照らし合わせるようにして自己分析するのはとーっても無駄だということが腑に落ちたのではないでしょうか?そうなると、合格するためのリソース(材料=経験・価値観・想い・希望)は、すべてあなたの中に答えがもう既にあります。それを客観的な観点に照らし合わせながら自己一致するように言語化していくのが“受かる”自己分析という作業です。
外側から「受かる志望動機」とか「合格しやすい性格」とかいう情報を見て一喜一憂するのはもう辞めましょう。借り物や建前ではなく、自分が持っている強みや魅力をもとに合格できる経験を一度でもすると、自分の内面から未来に繋がる感覚がわかるので、その先の人生エスカレーターに乗ったも同然です。