私の英会話の勉強法について触れておきたいと思います。
目次
前置き
前置きとして、すべてのジャンルの勉強法において自分に合う/合わないがあるのは言うまでもありません。私が「CAになる方法」について発信を始めた当初は、私自身の経験を話すことが最重要だと思っていたし、実際に検索や口コミなどで私の情報にたどり着く人たちに求められていることでした。でも、立ち上げたCA養成プロジェクトや私の直添削で合格する人が増えてくると、私自身の受験経験やそれを体系化するための脳内はもはや私のものだけではなくなっていったといいますか、育った環境も現状生きている境遇もまったく違う人が私のアドバイスによってではあるもののまったく違う人生経験の中で合格する、そこに私が立ち会う、という構図が増えてきたので、私自身がCAに合格するまでの経験はだんだんと話す必要がなくなってきたように感じていました。
しかし、最近になって私の特定の時期、それも客室乗務員試験の土俵にすら上がれない英語レベルの時期に関する質問をいただくことがまた多くなってきました。一つの参考として流し読んでもらえればそれはそれで「こういう話が聞きたかった!」と感じる人もいるかもしれないと思うので、ここで一度、まとめておこうと思います。
私の経験をどう使うかはあなた次第
私が英語を話す機会が日本で普通に生活する人より多くなったのは外資系航空会社の地上職に合格してからです。80%英語/20%日本語という業務環境のなかで英会話力が上がったということはこれまでもブログ・メールレター・SNSで色んな角度からお話してきました。『じゃあその前はどのように英会話力を上げていたのですか?』という質問をいただくようになったのは、ある意味驚きです。だって、業務で英語を使う前の私の話を聞いても、それはつまり「英会話の習得に自分と同じように試行錯誤しているどこかの他人」の話を聞くのと同じです。実際、この話をするにあたって自分がどういうふうにしてきたか改めて振り返ってみたんですけど、とてもありきたりな回答だなと思う人がいるかもしれません。しかし、読む人によって受け取り方が変わってくるのが大きな特徴だろうと思います。ちょっと恥ずかしいですが、せっかくなので詳細に話します。
ありきたりな話の中に宝石が見つかるかもしれないというお話
私の英会話力にいちばん影響を与えたのは2つあって、「海外ドラマ」と「面白い偶然」です。
大学時代、とあるファッション雑誌のイベントに行きました。その時、イベントとコラボしていた 「The Hills」という海外ドラマシリーズがステージ上の大画面で紹介されました。The Hillsはロサンゼルスのセレブ学生の生活に密着したファッションリアリティドラマです。イベントでのプレゼントにプロモーション版のDVDが付いていて、それを見た瞬間が私の人生を変えた瞬間 だと言ってもいいですね、そのドラマがとっても好きになったのです。(ちなみにテラスハウス はこのドラマをモデルにしたのでは?と個人的に思っています。特にオープニングの感じが物凄く似ています。真相を知っている方いたら教えてください。)
ルカとアリサの話
ちょうどその頃、海の家のアルバイト先で出会ったイタリア×ブラジルのハーフ(ルカ)や大学 の英語クラスが一緒だったアメリカ×日本のハーフの友達(アリサ)と仲が良くて、それまで海外に出たこともなかったのに、急にそういう異国文化がリアルに感じられていたときでした。あ、でも私は外人が好きだとか、海外文化に強く憧れていたとかではありません。一方で、何が猛烈に好きだったかといえば、月に10冊は買うほど雑誌が好きで、ファッションが好きでした。雑誌が好きすぎて、図書館みたいな書棚(最新号は前の扉に立てかけて置けて、中にバックナンバーを入れてお けるやつ※写真参照)を狭い1Kの部屋に置いているほどだったんです。
↑これです(笑)
ちなみに、ルカはアパレルで働きながらモデルをやっていて、某ブランドの案件が決まったりしていたころでした。アリサはモデルの仕事を本格的に始めるか、大好きな洋服のお店で働き続けるか、アメリカのお父さんのところに行くか、進路に迷っていました。ルカやアリサを近くで見ていた私にとって、ファッションや海外文化、そして夢を叶えるということ諸々が入り混じって刺激を受けまくっていた時期―、だから同じような話が繰り広げられるThe Hillsにもドはまりしたわけです。 それはもう、DVDが擦り切れるほど見ました。登場人物たちのファッションもメイクも真似したし、その延長でセリフも口からついて出てくるほど真似しました。大学に行く前も帰ってきてからもDVDをずっと流しっぱなし。新しいシリーズが出るたびに、ルカと「新シリーズ見る会」をやったりもしていたっけ…。
ドラマの世界が突然、現実になった
ルカがモデルとしての大型案件をゲットし、アリサがアメリカに移住しようか迷っている時期、 私は何をしていたかというと、大学の奨学生として留学するために入れられるだけの単位数の授業を詰め込み、朝から晩まで大学で勉強しながら試験を受けたりしていました。そして無事に留学が決まったのですが、面白い偶然というのは本当にあるもので、私には選択の余地がなかった留学先はオーストラリアのゴールドコースト。
何が面白い偶然かと言うと、ゴールドコーストはThe Hillsのロケーションであるカリフォルニアとほとんど同じような気候と文化だということです。実際に生活を始めてみて驚きました。温暖な気候、ビーチが近い大学生活、ジャグジーのある一軒家でハウスシェアリング、キャンドルいっぱいのお洒落で開放的なインテリア、イケメンのサーファーたち、Good Vibesなカフェ文化・・・、まさにThe Hillsでずっと見ていた景色の「中」に自分が入ってしまった!!!!
ドラマが好きすぎてセリフを覚えていたわけなので、現実で同じようなシチュエーションに出くわした時なんかは「これってなんていうんだろう?」と思う前に英語が口から出てきたりすることもありました。ずっと画面越しで見ていた世界の中に突然入ってしまったような不思議な感覚でした。
サインを見逃すな
「あなたがその道に進むべきだということは必ず何らかのサインによって示される。」という言葉を聞いたことがありませんか?物事に甘い蜜と厳しい罰があるとすれば、自分に向いている物事に関しては最初のうちに「甘い蜜」を感じられる出来事に恵まれるということです。ビギナーズラックみたいなものでしょうか。もしあなたが【こんなの嬉しくて続けたくなっちゃうのも当然!】 と思うことは、実は誰にとってもそういうものではなく、あなたに与えられた能力や才能やチャンスなんですね。
私にとっては、【ファッションイベントに行った⇒後に大好きにな る海外ドラマに出会った⇒留学先がドラマの世界と同じだった】 というこの一連の偶然が、英会話力や英語でのコミュニケーション力を向上させるための甘い蜜の経験だったのだと思います。あれから海が近くにある暮らしが大好きになりましたし、自分を成長させてくれた恋愛もしました(サーファーで起業家の学部生と図書館で何度か目が合ううちに大学構内でバッタリ合って連絡先を聞かれるというドラマみたいな恋でした)。
ちなみに、ゴールドコーストは Byron BayやBurleigh headsという港街がとても気持ちの良い場所なので、ぜひ機会があれば立ち寄ってみてくださいね。 コーヒーはFlat Whiteを。
表層の「好き」「夢中」に着目するだけでは見えないこと
さて、この話をまとめましょう。「なかなか英語での会話の機会がない中で会話力を上げるためにはどうすればよいですか?」という質問への答えは、さっき言った”ビギナーズラックの甘い蜜”を吸うために「英語を使って夢中になれることを探すこと」になると思います。今回の話でいうと、私の場合は「海外ドラマ」が”英語を使って夢中になれること”だったわけですが・・・
あれ?
・・・それって結果論でしかないじゃないですか。
今となってはあのドラマとそれに重なる偶然が私を導いてきてくれたと言えるけれど、たまたま出会えたことなのに、偉そうに「夢中になれることを見つけてください」なんて、質問への回答にもアドバイスにもなっていないですよね。じゃあ、ちゃんとした回答として私に言えることは何かと言うと、「好きなことを見つけましょう」です。
・・・そう、最初に「ありきたりな話しかできない」といった理由はここにあります。まわりまわって、「英会話力を上げたいなら好きなことを見つけよう!」という答えになってしまいました。
大事なことはいつも目立つ何かの後ろに隠れていて見えにくい
そもそも私が大好きなファッション雑誌を読んでいなければ、そのドラマが紹介されたイベントにも行っていませんでした(基本的にイベントやライブやコンサートといったものには行かないほうです)。イベントで紹介されるものは”広告”ですから、『このファッションイベントに来る人はこのドラマが好きだろう(だからもっと売れるだろう)』とターゲティングされています。だからあの時あの場所でThe Hillsが紹介された、そしてそのドラマを好きになったのが一連の偶然(たまたま身近にアパレル業界やモデルの人がいたこと、その人たちから刺激を受けて将来を考えたこと、たまたま決まった留学先が憧れの土地と瓜二つだったこと、留学先でドラマみたいな生活を送ったことなどなど…)の始まりだった――ということは、私に英会話力や英語でのコミュニケーション力が付くためにいちばんの鍵を握っていたのは、正確に言えば「私がファッション雑誌が三度の飯より好きだった」ことになるわけです。三度の飯より好きなことはやっぱりすごい力を持っています。
誰の采配?
正直、いろいろ思い出してみて結局「好きなことを見つけよう」という結論に至ってしまうことに気がついたとき、この記事は書かないことにしようかとも思いました。 でも、ここまで読んでくれたあなたは、もう呆れるほど聞いているかもしれない「好きこそものの上手なれ」だとか「好きなことに夢中になることが人生を変える」とかいう言葉について、今なら少し違った角度から考えることもできるようになっているかもしれない、と思うんです。
あなたの好きなことが直接的にあなたの希望に導いてくれるわけではないかもしれません。あ、もちろんそういう人もいるでしょう、例えば外人に強い憧れを持っ ていて海外メイクが好きでYouTubeを見ていたら英語がわかるようになったとか、ドラムが好きで好きでしょうがなくて打ち込んでいるうちに才能開花して海外デビューして移住して英語ができるようになるとか…。
でも、そんなに直接的じゃなくても「好き」とか「夢中」という状態は、あの手この手でいろんな偶然を呼んできたりあなたを導いたりします。それも、あなたにはまったく想像もし得ないタイミングで、相当に手の込んだやり方で。一体、誰の采配なんでしょうね。あなたの知らないところであなたのストーリーは既に創られているかもしれないという可能性に期待してみても良いんじゃないでしょうか。
さて、ここで改めてお聞きします。
Q. あなたの「好きなこと」はなんですか?
Q.あなたの「夢中なこと」はなんですか?
Q.そういったことから、どんなふうに刺激を受けていますか?