客室乗務員になるための英語、何からやればいいのかわからない!って人、多いと思います。英語は生きたツールでありながら一生かけて習得する意気込みの人も存在するような勉強分野でもあるので、CAになるための英語を対策するのであればちゃんとやるべきこととやらないことを決めてやらないと時間はどんどん過ぎていってしまいます。しかも、TOEIC600点以下でも外資系に合格する人もいれば流暢に話せても合格できない人もいるのが事実。
・・・ということで、この記事では「最短で」「効率よく」CAに合格するための英語・英会話対策の【はじめの一歩】である考え方にフォーカスして話します。対策を始める前に読めば自分が「何をやるべき」で「何はやらなくてもいいか」が見えてくるはずです。
目次
まず、想像力を働かせてみよう
突然ですが、まずは自分が実際に英語を使って働いている場面をイメージしてみてください。そして、 自分に『日本人の私が”外国語”である英語を使って働くときに何が求められているんだろう?』って問いかけてみてください。
・・・イメージできましたか?
あなたは、初めて海外旅行に行く日本人のお客様がイギリス人の同僚クルーの英語 がわからずいたのを見つけて、間に入る仲介役となるかもしれません。あるいは、日本に初めて訪れるコロンビア人に「京都に行ったら奈良にも足を伸ばすんだけ ど、おすすめの場所は?」と聞かれるのかもしれません。いずれにしても、 あなたがいかに流暢に英語を話すかということはほとんど誰も期待していません。じゃあ、何が期待されているんだろう?それを考えることが、あなたがスムーズにCA受験に合格するポイントになります。
周囲はあなたに何を期待していると思いますか?
「何が期待されているんだろう?」に対する私の答えは、業務として「正しく」ホスピタリティとして「丁寧に」伝えるべき人に伝えてその場の理解と空気を促すことが大事になるんじゃないかな、ということです。
初めて海外に行くあの日本人の彼女は機内で早々に英語がわからない経験をして不安が大きくなってしまったかもしれない―、コロンビア人の彼はあなたがおすすめした場所で人生が変 わるほどの感動を経験するかもしれない―、そういう思いを巡らせること、そしてその場で自分にできる最高の何かを提供すること、それが客室乗務員としてあなたに求められてい る、そしてあなたが追究するべき業務とサービスなのではないかと思うんです。
その時その場で自分にできる最高の何かを提供すること
面接の時点でも、そういったイマジネーションを想起させるかのようなコミュニケーション適性が問われている、と言っても間違いじゃないと私は思います。そうすると、以下の2点を心に留めるだけで英語面接でのあなたの発言は劇的に向上します。
1.「ノンバーバル要素」にちゃんと配慮する
日本語は高コンテクスト文化、英語は低コンテクスト文化と言われています。”コンテクスト”と は「文脈」の意。1976年に、アメリカの文化人類学者であるエドワード氏が初めて言及しました。日本はよく「察しの文化」と言われますが、まさにあれが「高コンクスト文化」のことです。もう少し詳しく言うと『言語そのものが発するメッセージ以外に、その場の雰囲気・習慣・人間関係など言語以外のものがコミュニ ケーションに大きな意味を持つ言語』ということ。
一方で、 英語は『言語以外の要素がメッセージに影響しない言語』です。こんなに長々と説明しておいて申し訳ないのですが、『英 語が低コンテクスト文化だからといって言語以外の部分に配慮しなくていいわけではない』ということを強調したく て、敢えてコンテクストの話をしました。もうちょっとついてきてください。
英語面接で、『英語を正しく言おう』『間違ってはいけない』ということにばかり気が持っていかれてしまって視点が内向きになってしまう人が結構多いです。英会話の話になるとよく言われる「文法を気にしすぎちゃだめ!」「伝わればいいんだから」 みたいな話はテッパンで聞き飽きているかもしれません。
面接ではもちろん「ノリで伝わればいい」みたいな雰囲気が最 初っから無いのですが、「間違いを恐れて言葉が出てこない」状況については準備段階で解決しておく必要が あります。面接は、態度・声質・表情・姿勢が疎かに なってしまった場合、ノリでも乗り切れる場面じゃないわけです。
なぜ英語は低コンテクスト文化なのに、態度や声の質や表情や姿勢のほうが大事かと言うと、エドワード氏がコンテクストの話をするよりも5年前(1971年)に心理学者のアルバート氏が対面でのコミュニケーションにおいて非言語の要素が伝達する印象の要素の割合には法則があることを発見しているのです。それがボディランゲージ=55%、声のトーンや口調=38%、言葉=7%というもの。どこかで聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
実は、面接という状況下においてこの法則の話が適用されるかどうかについてはまた違う議論があるのですが、話が大きくそれてしまうのでその話はまたの機会に譲るとして、面接という場で基本となる「言語」そのものに能力的な不安があって正しく意思伝達ができるかわからないとき、それを補えるのは非言語の部分でしかないということで話を戻します(こうなると、[感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたとき]というメラビアンの法則の本来の限定状況が正 しく再現される可能性が高い)。
だから、非ネイティブスピーカーが英語面接で”うまくやる”ためには、日本語で話すときと同じようにノンバーバルな部分の印象を良くすることに努めたほうが早いということです。そうなるともう英語以前の問題です。私のプロジェクトでは、人と接する時のセルフイメージを高めると いうカリキュラムもあるのですが、これが受講生にとても人気で、プロジェクトの短期間で文字通り「人生が開ける」人が出てくるのはここにポイントがあります。効果てきめんです。そのうえで、サービス要員としてのセルフイメージも上げていくのが良いですね。単に人と接する時とサービス提供者としてのコミュニケーションは似て非なるものだからです。
2. わからないときに正直に聞けるようになること
英語面接でいちばんイケナイのが「わかったフリ」をしてしまうことです。私だけかもしれないけど、相手が何を言ったかわからなかったときの「聞き返すタイミング」が意外と難しい。聞き返すための表現が口からついてくるまで練習しておかない限り、自分が「あ、わからない」と感じる反射神経と英語の言語感覚との間に溝があるから、「あ、わからない」と思った瞬間に何を言えばいいかわからず(タイミングを見失った証拠)なんとなく硬直してしまう。そしてなんとなくわかったフリをして続けようとしてみるけど、それがうまくいってもいかなくても、表情や声のトーン(さっき言った”ノンバーバル”な部分)でいうと、不合格まっしぐらでしょうね。これが起きると怖い。今でもたまに起こるこの「脳と感覚のバグ」。怖い。
実際に業務で英語を使う場面を想像して「逆算」の対策をする
面接は英検ではありませんので、英語が正しく答えられないからといって減点にはならないわけです。ここでまた、実際に働いている場面を想像してみてください。目の前のお客様がなんと言ったかわからなかったり、急に知らない単語が出てきたりしたら、普通どうしますか?こんなこと結構日常的に起こりえますよね。まあ、わからなかったら、聞きますよね。ていうか、聞くしか無いですよね。たぶん、リアルな状況ではわかったフリするほうが難しい。なのに面接になると、そういうことができてしまう。不思議です。
まあでも、面接でも聞き取れなかったり分からなかったりしたら素直に聞けるようになることは、それだけ自然体でいられる状況に持っていく、それなりの立派な「対策」ということなんです。 だから、やりましょう。英語での丁寧な”とっさの一言”をまとめて速習しておくことはとても有効な対策になるでしょう(もちろん私のプロジェクトではカバーしています)。
想像力を行動に変えられるかがミソ
大事なのは、さっき言ったように、聞き返すための表現が口からついてくるまで練習しておくことです。反射神経と言語感覚の溝を埋めていく作業です。ほら、私たちって大人になればなるほど素直じゃなくなっていくじゃないですか。大人が素直になるためには、準備と練習が必要だって、私は客室乗務員試験を通して学びましたね..。