目次
はじめに
ここでは、こんな質問に答えていきます。
- 自己PRと志望動機って何のため?何をゴールにして書けばいいの?
- 自己PRと志望同期の違いって何?それぞれ面接官は何を知りたいの?
- このワークで掘り下げた自分の欲望を抑えて結局建前を書かなきゃいけないの?
- 自己分析を自己動機や自己PRにどうやって落とし込むの?
違う記事で、「自分の欲望をまず見てください」「自分の欲望を理解してください」というふうに書きましたが、それをそのまま自己PRとか志望動機にするわけにはいかない、というのは皆分かっている。だからといってその欲望を無視してしまうと、自分の中に無い要素をとってつけたように取り繕うことになってしまう。この記事を読むことで、これまでに明確にしてもらっている(まだ探り中の人もいると思うんですけど)自分の欲望を絡めた自己分析と、それを自己PRと志望動機にどう落とし込むのか、自己PRと志望動機がどのようなバランスをとっていくのかがわかるようになります。つまりそれは言い方を変えると「採用側が知りたいことが分かっている」自分のことをどんな切り口でどう伝えるかが分かっている」状態になります。
よくいただくお悩み
- 自己分析をどう自己PRに落とし込むのかが分からない
- どのエピソードを使えば良いのか分からない
- 自己PRと志望動機の内容が被ってしまうのですが・・・
- 面接で現職について聞かれたらなんと答えれば良いのか分からない
- 書いてみたものが「アピールしすぎ」な気がするのですが・・・
全部解決するパワーワード
最初に一番大切なことを言います。自己PRも志望動機も書類選考も面接も、すべてにおいて大事なこと。それは、「この人と会ってみたい」「この人と一緒に働きたい」と思われたら合格できるということです。これを、北極星のように目指すべき姿として捉えておくことで、今回の記事が実際にあなたの書類や面接での表現に活かされます。結局、書類選考も面接も、採用側はこれを見ているんですよ。もうね、パワーワードですよ。この言葉だけ覚えておけば、採用の選考のどの段階で何に迷ったとしても、行動指針とか解決策が見つかるはず。
試験は自分をアピールする場所ではなく…
そもそもの話なんですけど、面接も書類も、自分の伝えたいことを言う場所ではありません。確かに自分を理解してアピールすることが大事ではあるんですど、それを最終目的にしてしまうと、採用側と私たち受験者の間にギャップができてしまいます。このギャップってどういうことかとうと、採用側は、今の時代とか自分の会社の状況とか業界内でのポジションや自社の将来展望を踏まえて、自分の会社で活躍してほしい、欲しい人材はこういう人だというターゲット像があることが多いです。だから「とにかく自分のことをアピールしよう」とか「どうやったら他の受験者より目立てるか」という思いで試験に臨んでいいる受験者とは思考のベクトルが必ずズレます。
自分を客観的に見る理解度(どういう風に社会で能力を生かせるかとか、会社に貢献できるかという客観的な能力とか性格を見る理解度)を高めていくという目的で自己分析からやっていくことで、受かる自己PRや志望動機ができます。だから、言いたいことを伝えるとか周りの受験者よりも秀でることが目的なのではなく、会社が直面している業界内での課題・風土・客室乗務員のカラーを踏まえた上で(これが企業研究)、その会社が欲しているであろうターゲット像に合う自分を表現していく。つまり、求められていることを伝えていくことが書類でも面接でも合格しやすい自己PRや志望動機を作る秘訣です。
自己PRと志望動機の違い
・自己PR = 自分の意欲を離す(経歴、実績をもとに)
・志望動機 = 会社との接点を話す(共感していることをもとに)
自己PRは自分の意欲、CAとして働く意欲を話していくものです。それを話すために今までの経歴とか経験とか実績というのをエピソードとして挙げていきます。志望動機というのは会社との接点を話すことなので企業研究が活かされます。さっき言ったような企業側の事情を想像して、自分の能力や経験とリンクさせると志望動機になります。
自己PRと志望動機の違い:CA受験の場合
これは私からの提案なのですが、上記の判別で自己PRと志望動機が書きにくいという人は
- 自己PR=職種に対する志望理由
- 志望動機=応募企業に対する志望理由
と考えて作ってみると良いかと思います。どうしてかというと、CAは保安要員であり、その保安のルールは国際的に定められているので、どの会社に入っても同じようなことを同じルールで行なう業務がとても多いです。まあこれは業界特性にもつながるのですが、要するに差別化が難しいんですよ。だからこそ、志望動機では会社の方向性やカラーと自分の適性や能力がマッチしていることを表現する場所として特化して考え、自己PRではCA職に自分がどう適しているかを表現する機会だと認識すると、バランスの良い自己PRと志望動機が出来上がると思います。
自己PR
何ができ、どう活かせそうか?その根拠はなにか?
まず自己PRは、面接官が何を見ているかというと「この人は何ができて、自分の会社でどう活かせそうか」そして「その根拠は何か」です。自己PRを実際に書いていくにあたって、どんな要素を盛り込めばいいかというと、まずは伝えたいスキル。これは3つの観点から何をPRできるか考えてほしいんですね。
・人柄、性格、仕事に対する態度や心持ち
人柄とか性格とか、仕事に対するスタンスですね。態度とか気持ち、モチベーション。例えば根気強いとか、努力するタイプとか、色々あると思うんですけど、あなたの性格に関することですね。
・これまでの経験で得た専門知識・スキル
これまでの経験で得ている専門知識とか専門技術とかスキルのこと。これは実際に働いた経験のある人なら分かりやすいと思うんですけど、学生の人でも、アルバイトの経験とかボランティアの経験を入れてください。
・働く環境が変わっても活用できるスキル
働く環境とか生活が変わっても、活用できるスキルです。ひとつ前の、これまでの経験で得ている専門知識というのは、その業界とかその職種とかそのひとつの経験でしか活かせないことで、この働く環境とか生活が変わっても活用できるスキルというのは、もう少し抽象度を上げたものになると思います。
+根拠
上記の観点で選んだ内容から1番アピール力の強いものとか、他に志望動機との構成のバランスと印象バランスとを考えて選んでいくことになりますが、まずはあなたが根拠となるエピソードを思い出せるものや数値で一般概念を混じえて伝えられるものを選ぶと良いです。これは自己分析から探せるはずですね。
志望動機
志望動機では、面接官が何を見ているかというと、「うちの会社である理由は明確かどうか」「他の会社でも通用するような志望動機を使いまわしていないかどうか」「自分のやりたいことだけで志望していないか」です。違う記事でまず欲望とか憧れというものにとことん向き合ってもらった理由は、そうすることでこの志望動機の質がグンと上がるから。何度言っても強調しすぎることはないので言うと、自分の欲望とか憧れから目を背けず認めたうえでそこからもっと視野を上げて社会や他人や会社に貢献できる事は何か、と考えると、自分の本音ベースの希望を無視しないのに会社側にも響く志望動機を見つけられるんです。
では、志望動機を構成するために自己分析と企業研究から何を抜き出せばよいかというと
業界、会社について
・業界の課題、トレンド、社会への影響
・会社のビジョン、風土
・会社の業界内でのポジション、サービス
まずはなぜその業界なのか、それは業界全体のトレンドとか、業界全体が直面している課題や会社のビジョン、向かっている方向性、会社の風土、業界内での会社のポジション、提供しているサービス。
+根拠
なぜその会社を志望しているのか自分なりに理由付けをしてください。さっきもお伝えしたように、この会社のどんなところに自分は共感しているのか、何に自分の能力や性格を生かしてどんなふうに貢献できるかという目線で探していくと見つかりやすいです。
自分を置き去りにしない
自己PRや志望動機は、一見、このときに掘り下げていった自分の欲望とか憧れは無視して会社のためや社会のために自分ができることしか言えない場所に見えるのですが、自分の中で「CAになったら自分の希望のライフスタイルや憧れが叶う」と思えることは絶対に必要です。自分の目的(なぜCAになりたいのか・どんなライフスタイルを望んでいるのか・人生全体を通した欲望・憧れ・目標・夢)を抑えつけなくて良いのですが、でもそれを前面に出したからと言って、「この人が欲しい!」「うちで働いてほしい!」って思われる確率は本当に低いですよね。でも完全に無視してしまうと、結局書類でも面接でも言葉が出てこなくなったりする。このジレンマは「自己分析をどう自己PR・志望動機に落とし込めばよいかわからない」という超代表的な相談に表れます。じゃあどうしたらいいのか。そのステップをここに示します。
自己分析を自己PR・志望動機に落とし込む3ステップ
STEP1.本音ベースの自己分析
世間体とか、親の要望とか、親の希望とか関係なく、本当に自分の「客室乗務員になりたい」という夢の奥深くにあるもの、本当に正直なところを見つめてください。そしてそれを認めてください。それはどんなに下世話なことでも本当に自己中心的なことでも私はいいと思います。ちゃんと書き出してくださいね。実際に私の個人セッションを受ける人は、私にはこのワークの過程で見られることになるのですが(笑)恥ずかしくても向き合ってください。
STEP2.自己分析から「対外的」なものを探す
対外的なものというのは、他の人が関わっているエピソードだったり、誰かに感謝されたエピソード、褒められたエピソード、誰かに驚かれたことのことです。それが結果的に自分が成長したことや自分の願いがかなったこと・自分が欲しいと思っていた結果が得られたことだと尚良いです。ここでは、自分の欲望・自分だけの自己実現・自分のちょっとした欲求が満たされたとか、そういうベクトルが自分の内側にしか向いていないものは省いていきます。
なぜ対外的なものを掘り下げていく必要があるかというと、さっきからさんざんリンクしている記事で書いているように、働くということは社会とつながってくいことであり、自分が幸せになりたかったら結局世の中とか他人を幸せにするしかないのです。ところで、女性が一番満たされるのがどんな時か知ってますか?それは、承認欲求が満たされた時。承認欲求とは「すごいね」「ありがとう」「あなたのおかげ」というようなことを言われたり態度で示されたりすることで満たされるので、承認欲求が満たされるとセルフイメージが上がるということは誰かから感謝されたり誰かのためになることがそのまま自分の幸せにつながっていくという証拠ですね。
STEP3.それを言語化して文章にする
自己分析の段階で人に喜ばれた経験とか誰かのためになった経験というのを掘り下げていき(Step2)、それを説明するための要素(自分の能力や性格やスキル、具体的なエピソードの説明、なぜそれが応募先の企業にメリットになりうるのかの説明)を抜き出して、文章化していきます。
今まで「自分が良ければいいや」と自分のことしか考えてこなかった人にとっては結構シビアな話だと思いますが、それこそCA受験を通して自分自身が成長するチャンスなので、ちゃんと向き合ってみてくださいね。
自己PRと志望動機の補足アイディア
自己PRと志望動機を自己分析に忠実に書いたり求められている人材像にマッチするように書いたりすれば合格まで一直線か?というとそうではありません。他にも考えると良い要素があるのですが、全て書くと混乱させてしまうのでここでは代表的なものを紹介します。
印象のバランスを戦略的に考える
見る人によってその人の見え方は変わりますよね。客室乗務員試験でいえば、面接官って初めて会う人じゃないですか。初めて会う人に自分をどういう風に表現したら自分がより良く印象に残るかということを考えてみたことはあるでしょうか?自分の本質的な内面やスキルや性格をどういうふうに伝えたいかというのと、外見についてよく言われるイメージにギャップが大きい人は特にこのことを考慮すると効果的なアピールができることになります。
例えば、私が受験していた時に外見イメージとして強かったのは「落ち着いている」「しっかりしていそう」「気が強そう」で、「明るさ」とか「元気さ」とか「協調性」というのがあまり感じられないような感じでした。それで、もし自己分析や企業研究をもとに「明るさ」「元気さ」「協調性」の方を少しでもアピールしたほうがよいと判断したら、自分の外見を初めて見た人には伝わらないであろうその要素に関するスキルやエピソードを準備したりメイクや服装を変えてみたりします。他に、証明写真の印象も考慮します。
これらを含めた総括的な対策の方法を印象バランスコントロールと私は呼んでいて、この対策だけで相当の情報量になる独立したトピックなのでこの記事での説明はこれで終わりにしておきます。
この記事を最大限活かす方法
この記事を最大限活かす方法は、自己PRとか志望動機を実際に書いてみるということです。合格する人は、今募集が出ていなくても過去の応募書類を書き直したりします。最初は完璧じゃなくても、徐々に精度を上げていけばいいです。今日は自己PRを書いてみるとか、今日は志望動機を書いてみる、とかそんなふうに合格までのアクションを細切れにして負担を軽くしながら1つ1つ手を付けてみてください。この記事は何度も何度も繰り返し読んで、自己分析と照らし合わせながら実際の書類に落とし込んでいってくださいね。