私が普段いただく質問で結構多いのが「歯並び」についてです。
(これはあくまでも私の感覚ですが、傾向としては、シンガポール航空/エミレーツ航空など人気の外資系航空会社、日系ではANAよりもJALを目指している方に、ご自分の歯並びを気にしている人が多いようです。)
そこでこの記事では、外資系航空会社2社経験のある私の見解、今すぐできる対策、矯正歯科をするかどうかの判断基準についてまとめておきます。
目次
歯並びが悪いと客室乗務員になれないか?
まず結論から言うと、「歯が全てではありません」。
でも、意識を高めて損することはありません。
ましてや、客室乗務員を目指していて自分の歯並びや歯の健康に少しでも気がかりなことがあるのであれば、その改善のために行動するのは早ければ早いほどよいでしょう。私自身の経験も混じえながら詳しく書いていきますね。
世界的に見ると日本人は歯並びが悪い人が多いです。海外の人は歯が真っ白で歯並びがきれいな人が多いイメージがありますよね。その平均的な差は確かにあります。例えば、アメリカに駐在や留学をしている日本人のブログを検索してみてください。歯や口腔内の健康に関する記事があるブログは少なくないはずです。これはなぜかというと、海外では「歯並びがきれいなことは社会的なステイタスを表すもの」という概念もあるので、日常的に気にする機会が多くなる(+保険制度が日本と違うので在外邦人の多くが現地の歯科医院や歯のケアの情報を求めている)からです。日本は、特に審美治療に対する一般的な意識が低いのは事実だと思います。
事実としてもうひとつ、参考にしてほしいことがあります。
それは、歯並びをずっとコンプレックスに思っていた私自身が、矯正しなくても複数の航空会社に合格しているということです。そのうちの一社は外資系の航空会社で、その国は、CAだからというわけではなく一般的にも歯並びが大変重要視される国でした(街の歯科医院の看板や窓に、子供用のカラフルな矯正器具の紹介が貼られているのを頻繁に見かけました)。
※ここには載せませんが、もし当時の私の歯並びを見て安心したいという人がいればお見せします。
※私は最近アメリカで歯列矯正を終えました。ビフォーアフター写真はこの記事の最後に掲載しておきます。
さて、ここまで書いてきた事実を踏まえたうえで、歯並びに悩んでいるあなたがCA受験のために歯列矯正をするべきかどうかを、この記事を読むことで判断できるように書いていきます。
客室乗務員という職業の本質は?
まず、客室乗務員という職業の特性や本質を、この機会に改めてしっかり考えてみてください。客室乗務員はサービス・見た目要員である以前に「保安要員」です。
今後、
- どんなに時代が進んでも、
- どんなに“美人”の定義が変わろうとも、
- 航空会社ごとにどんな採用基準の特性があろうとも、
CAの職務は保安要員であることは世界共通の変わらない事実です。きちんと自分を構築したり面接の対応力などを磨いたりしていけば、歯並びが多少悪くても合格はできるというのが、私の実体験をもとに言えることです。
あなたに歯列矯正が必要かどうか見極めるための4項目
でも、現実問題として、審美的な治療をCAになるための対策に入れるかどうか検討することは必要だとも思います。あなたが今、歯並びに心配があったり歯列矯正が必要か悩んだりしているのであれば、以下の4つについて自分の心に聞いたり検討してみてください。
1)あなた自身が「凛としてお客様におもてなしをする瞬間」を想像してみてください。その笑顔を作るとき、相手に不快感を与える程度の歯並びの悪さなのかどうか?
2)見た目に関して正直に、客観的に、厳しいことも言ってくれる人に意見を頼むことも必要です。
3)CA受験に落ち続けている時に「歯さえキレイになれば」と思ったことがありますか?
4)これから全力でCA受験の対策をし、やれるだけのことをやって受験を続けた結果として受からなかった時に「歯並びが悪かったから」と言い訳したり後悔したりする可能性があると思いますか?
もし上記4つを読んで心がザワザワしたなら、審美的な治療を検討する余地はありますし、今から対策できることはたくさんあります。
CAとして働くために歯の健康が必須である理由
客室乗務員は国際的な仕事です。仕事でもプライベートでも海外で生活することが多くなり始めると、必然的に、そのとき住む国の保険制度がどうなっているのかを調べることになるでしょう。現地採用なのか、駐在なのか、日本採用で海外に住むのか等、待遇やステイタスによって加入する保険制度も変わるので、その都度お金や健康を按じるのは苦しいことですよね。私自身もそういった流れの中で、歯並びに限らず、口腔内の健康についてとても気を遣ってきました。
歯並びに悩んでいないあなたも、悩んでいるあなたも、CAになるために虫歯を直したり定期検診にいったり歯並びを直したりして、万全だと自分が思える状態にメンテナンスしておくことは、CAに合格する大事な対策の一環だと考えてください。特に、外資系航空会社を目指している方は、海外在住となった場合、歯の保険がきく国はほとんど無いか日本よりも高額なため、“全身美容”という概念で、今から体全体のメンテナンスを行っておくことを強くオススメします。
また、CA採用というのはスケジュールが乱れることが多々あります。
例えば外資系に合格したとしても、実際に現地入りするまでに予想外の期間を提示されることもしばしば聞きます。入社時期が突然早まることもあれば、合格したのが9月で、10月入社と言われていたのに突然翌年の4月に延期されるということも。
いずれにしても、突然のスケジュール変更に対応できるように歯科治療については早め早めの行動を検討しましょう。
CAに合格するための歯科医院の選び方
歯科の選び方で私自身が大事だと思うのは、審美治療のみを専門とするところ(審美歯科、美容整形外科の歯科部門など)を選ばないことです。人体は私たちが考える以上に複雑で、全身が精密にバランスが保たれる構造をしていますので(最近では歯周病と脳の病気(痴呆症)に関連性があるという研究もあります)、客室乗務員に必要とされる「心身ともに美しく健康であること」を目指すのであれば、見た目だけでなく機能的な健康を考慮した治療を行なう歯科を選びましょう。
予想外に空いた期間などですぐに治療や矯正が済ませられるよう、今から歯科を検討したりカウンセリングに行ったりして期間や金額の見積もりを立てておくと良いでしょう。実際、私もCA受験と並行してそのようにしていました。日本にはコンビニ(約50000件)より多くの歯科医院が存在します(約70000件)ので、自分にとってベストな歯科医院を選ぶためには、自分で調べることや歯や全身の健康に関する知識もある程度必要になります。
私は歯科専門検索サイトを使うことで、効率的に自分に合うところを探すことができました(※が、その直後に合格して海外に渡ったので、結局そこで実際に矯正はせず、実際に矯正をお願いしたのはアメリカの歯科です)。
自分でできることはホワイトニング
自分でできることとして、もう1つおすすめしたいのが「ホワイトニング」です。歯並びを治す時間がなくても、最低限ホワイトニングをしておくことをおすすめします。日本人の歯は欧米人よりももともとやや黄味がかっている(黄ばんでいる)傾向にあるので限界はありますが、自分の肌や唇の色から浮かない程度に明るくきれいな状態を目指しましょう。
航空会社によって、矯正器具を付けてはいけない社則がある会社や(私が勤めていたところはそうでした)、裏側矯正(ブラケットや矯正器具が見えにくい仕様の矯正)以外は不可としている会社がありますので、もし矯正をするのであれば少なくとも本命航空会社の採用試験が始まる前に終わらせておきたいところです。金額もそれなりにかかります(でもとても良い投資だと私は思います!)ので早めに取り掛かる必要があります。
試験までもう期間がなくて間に合わないという人や、金銭的余裕がない人は、ホワイトニングだけでもしておくと良いでしょう。
自分に合っていて、且つ、技術が高く安心してお願いできる歯科医院の詳しい探し方はCA合格プロジェクト内でお伝えしています(需要があれば一般公開しても良いと考えています。もし知りたいという方はTwitterやInstagramでDMください)。