この記事はこんな方のための記事です。
- CA受験のエントリーシートで設問の意図が汲み取れなかったり逆に深読みしてしまったりして、エントリーすることに時間がかかってしまったり、締め切りに間に合わなかったりする
- 面接で何を聞かれるか分からないので毎回面接が怖い
- 面接で深掘りされると頭が真っ白になってしまって、一貫性のない回答をしたり面接官の質問の意図を理解していない回答をしてしまったりする
- 「好きな食べ物は?」とか「面接会場までどうやって来ましたか?」といった他愛のない会話で正直に答えて良いのかわからない
- 面接に向けた準備方法がよくわからない
- 「好きな食べ物は?」「面接会場までどうやって来ましたか?」といった“他愛もない会話の質問”にどんなふうに答えればよいかわからない
このような悩みは、採用試験の構造や選考プロセスの背景にある採用側の意図を知ることで解決します。採用プロセスが複数段階(書類選考、1次面接、2次、3次、・・・、最終面接といったように)あるのには理由があって、それぞれの段階においてチェックされているあなたの要素が異なるので、それを把握することで冷静且つポイントを押さえた具体的な面接対策と準備ができるということです。
採用試験というのは、採用プロセスの中でどんな試験が課されていくのかが公開されていないことも多く、当日その時になるまで何を聞かれるか分からないものですが、この記事をよむことで、戦略的・計画的に合格のための準備ができます。
目次
はじめに
ここから、採用プロセスの各段階(エントリーシート・書類選考・集団面接・グループディスカッション・個人面接・最終面接)ごとの質問にはどのような特徴があり、それぞれのフェーズで面接官がどんな意図をもって何をチェックしているかについて選考段階別にまとめていきますがその前に、CA採用試験で必ず課される書類選考を含めたすべての選考プロセスで一貫して意識すると良いたった1つの文章と、そのために必要な2つの視点があります。
CAに合格するために必要なことはこの一文で
まずCA受験に必要となる全要素を含む一文はこちらです。
面接のゴールは、面接官の質問の背景にある本当に知りたいことに整理された自分の要素を簡潔に答えること
です。この一文がCAに合格するために必要なことすべてを含有しています。一語ずつ分解してみるとわかります。
- 面接のゴール=客室乗務員試験に合格するには
- 面接官の質問=頻出の質問を予め把握し、
- 背景にある本当に知りたいこと=採用試験の各選考プロセスでチェックされている内容を想像し、
- 整理された自分の要素=自己分析で明らかになっていて且つ応募企業の求める人材像にリンクする自分を
- 簡潔に答える=書類や面接といった選考のカタチに合わせて言語・非言語(身だしなみなど)で表現すること
つまり、質問の背景にある“面接官が本当に知りたいこと”を知り、自己分析してわかった自分を表す要素の引き出しのうちどの引き出しを開けてどの要素を言えばいいのかを整理しておくことが対策になるというわけです。面接は、適当な引き出しを開けて、面接官が知りたいことに応える場所なのです。
CA採用試験の全段階で必要な2視点
さて、さきほどの一文を達するために面接で抑えるべき最も重要なポイントは次の2つです。
-
採用側が知りたいことが分かっている
-
自分が伝えたいことが整理できている
この2つの鍵を押さえるとなぜ合格できるのか?それは、
- 自分が各選考ステージでどんな自分を伝えられたら合格に近づけるのかがわかるから
- 質問される内容が事前に分かっていなくても、当日面接で飛んできた質問に咄嗟に何と答えればいいのかが導き出せるようになるから
です。
この記事では1の「採用側が知りたいこと」について解説していきます。2の「自分が伝えたいことを整理」するためには、自己紹介・自己PR・志望動機の作り方等についてそれぞれ解説した記事がありますのでそちらを参考にしてください。
採用側が本当に知りたいことって?
では、採用試験の構造という視点から、書類や一次審査⇒最終面接までの段階でどのようにチェックされる要素が変わっていくかを順に説明していきます。客室乗務員試験は航空会社によってスタイルが異なるので、すべての試験がこの内容に忠実に沿っているというものではありませんが、CA受験に限らずどんな業界・職種の採用試験にも通用する大筋の流れなので把握しておきましょう。そして、実際に受験する企業の採用スケジュールがわかったらこの内容に重ね合わせて、冷静且つポイントを押さえた具体的な面接対策と準備につなげてください。
◆選考初期段階:書類選考・ビデオインタビュー・動画選考・一次面接
書類選考・ビデオインタビュー・動画選考・一次面接といった初期の選考段階では、「基本的な印象」をチェックされています。その後の選考でより深く審査していく前段階として主に以下の3点を見ていると言っても良いでしょう。
・話す内容よりも、印象や雰囲気
・基本的なソーシャルマナー
・第一印象
最初は外資系から積極的に取り入れられ始めたビデオインタビュー、最近では日系航空会社でも一般化してきましたが、多くの会社が初期の選考段階に動画選考を取り入れている理由は、内容よりもまず受験者の持つ非言語(顔、雰囲気、声色、声の印象、立ち振舞い、表情、等)の印象や雰囲気をチェックしたいからです。1次審査では1分間だけ自己紹介をさせて僅かな人数だけ次の選考に残したり、数百名を集めた受験者全員の前でいきなり英語でプレゼンをさせたりする選考があるのも(外資系に多い)理由は同じです。
採用試験の初期段階では、受付やアームリーチの時に印象をチェックされている場合もあります。話している内容の深い部分を見ているというよりも、書類上に貼り付けてある顔写真の印象との違いやバランス、立ち姿や雰囲気がチェックされていると言っても良いでしょう。自己紹介やプレゼンを指せる場合は話し方や英語の発音(英語の自己紹介やプレゼンの場合)、目線や表情など。
補足
選考の初期段階で主にチェックされるのが印象ですが、あなたの総合的な印象はこのあとの試験の中期〜終盤でも総合的にチェックされていきます。
- 基本的な印象:選考初期段階
- 対人的な印象:選考中期段階やグループディスカッション
- ビジネスにおけるマナーや振る舞いの印象:選考最終段階
選考初期段階通過のための準備のポイント
- アピアランスを整える(自分の内側を精査する自己分析と、その結果や印象戦略に沿った身だしなみ)
- 対人スキルを上げる
ここで言うアピアランスとは、服装・メイク・ヘアスタイルといった“外側”を整えることはもちろん、表情・姿勢・目線は内面を映し出すものなので、正しい自己分析や日頃のモチベーション管理も重要です。
対人スキルを上げるというのは、基本的な姿勢や表情、対人会話スキルのことです。CA受験が難関である理由の1つは、採用試験の初期段階でチェックされる要素(ここでいうとアピアランスや基本的な印象)が、このあとの選考プロセスで深く審査されていく自己PRや志望動機や英会話力等に比べて、付け焼刃的な対策で太刀打ちできない要素だからです。特に、自分の内面をより魅力的に表現するアピアランス(身だしなみ・見た目)や姿勢や表情などは、一朝一夕に向上するものではないので、前もって準備していきましょう。
◆選考中期段階:グループディスカッション・集団面接等
・強み、人柄
・経験、スキル
・仕事において大切にしてきたこと、仕事への姿勢
・一緒に働きたいと思うかどうか(自社の雰囲気や考え方と照合)
グープディスカッションや集団(複数)面接に進むと、受験者のプロフィールや価値観の審査に入っていくと考えましょう。その意図が下記のような質問となります。
頻出質問
- あなたの働く上での価値観はどんなものですか。
- 自己PRをお願いします。
- 今まで一番悔しかった経験は何ですか。
- 仕事や日常生活において大切にしていることは何ですか。
- あなたがこれまでに経験した困難は何ですか。またどのように乗り越えましたか。 など
ここで注意したいのが、スキルや能力の高さと合格率の高さは比例しない(関係がない)ということです。そもそも個人のスキルや能力に対する絶対評価は不可能ですが、仮に何かのスキルや経験が一般世間の平均に照らし合わせた時に高いとしても、応募企業の雰囲気や既存の社員の考え方と合わなかったりその会社が目指している方向性にそぐわなかったりする場合があるからです。(ですので、自己分析では、世間一般的にすごいと言われる強みよりもあなたの価値観がわかるものを炙り出すことが合格につながる自己PRを見つける鍵になります。詳しくは自己分析のカテゴリーの記事を参考にしてください。)
選考中期段階通過のための準備のポイント
・セルフファインディングワーク
・棚卸した経験・実績を言えるようにする
・企業が求める経験・実績を言えるようにする
自己PRを整理して言えるようにすることが準備のポイントなのですが、そのための自己分析や企業研究が必要になります。ここでいう企業研究とは、受けようとしている会社が欲しがっている人材や求めている経験や実績にリンクするような経験や実績を自己分析で探していくためのものです。その募集が出た時期的・季節的なタイミングの背景や、直近でその会社が関係する社会情勢・経済的なニュースも非常に強力な手がかりになります。
◆選考最終段階:ロールプレイング・最終面接等
・会社に対する志望動機は明確か
・基本的な会社情報を知っているか(就業意欲)
・将来ビジョンと会社の方向性が合っているか
・長期的に働くイメージがつくか
CA受験の終盤になっていくと、これまでの選考段階よりも踏み込んだ志望動機を探られることが多いです。その意図が、下記のような質問となります。
頻出質問
- この会社についてあなたが知っていることを教えてください。
- 志望動機を聞かせてください。
- 当社でしたいことは何ですか。
- 5年後のキャリアビジョンを教えてください。 など
つまり、あなたの入射に対する姿勢や価値観を確認すると同時に、会社が企業として向かっている方向性とあなたの将来性がマッチしているかどうかをチェックしているのです。また、人材採用にはコストがかかっていますので、CA採用試験の最終段階では、「長期的にうちの会社で働く意思があるかどうか」も面接官が知りたいことです。園判断をするための何らかの質問がされる場合もあります。
選考最終段階通過のための準備のポイント
・志望理由を明確化しておく
・その会社でやりたいことやお客様との関わりを具体的に思い描きまとめておく
・好奇心を持つ(会社や業界の基本情報について、社会情勢や時事ニュースについて)
ここで特筆すべきは「好奇心を持つこと」が合格につながる対策になるということです。合否に気を取られて気分が塞ぎがちになったり世の中の動きにすら目を向けられなくなったりする心境は私には痛いほど理解できます。でも、合格して客室乗務員になったら、幅広いお客様の層を相手にグローバル且つ柔軟に働く世界が待っているのです。受験する会社やその会社を取り巻く状況、更にその状況を取り巻く社会情勢や時事ニュースにも好奇心を持つことは「この人と一緒に働きたいな」と思ってもらえる発言や知識に繋がります。採用試験はもちろん受験者の経験やスキルが審査される場所ではあるものの、採用側も人間ですから、「この人と一緒に働きたいな」と思われることはシンプルでありながら意外にも大きなアドバンテージになるのです。ですから好奇心を持って情報を取り入れ、自分の考えを持つようにしておくことは、例え今の時点で入りたい会社や受験する企業が決まっていない人、または、試験まで時間がある人、今すぐ受験できる会社がない人にもできるとても重要な対策の1つです。
まとめ
ここまで解説してきたように、客室乗務員試験は合格までに何段階あるとしても非常にロジカルに構成されています。違う会社の違うスタイルの試験であっても、どんな質問が飛んでくるかわからなくても、この記事で解説してきた「質問の意図や背景」を理解することで確実な準備ができます。この記事を参考にして自己分析をし直したり、自己紹介・自己PR・志望動機を準備し直したりしてみてくださいね。
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